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美ぎ島net
2011年10月15日(土)23:05

シリーズ 島の暮らしと環境 (1)

ごみの現状
毎日運び込まれる私たちのごみ(宮古島市クリーンセンター)

毎日運び込まれる私たちのごみ(宮古島市クリーンセンター)

 2008年3月、「エコアイランド宮古島」宣言をした宮古島市。経済優先の大量生産・消費・廃棄の20世紀から「自然と共生」しながら限りある資源・エネルギーを有効利用する「環境世紀」の21世紀にしようというもの。それは循環型社会を目指し、「みゃーく島ネットワーク」を構築しようという狙いがあった。同年6月には国際連合大学が提唱した「ゼロエミッション」フォーラムが島を挙げて開催され、小・中校生も参加して「美ぎ島宮古島」をつくりあげるのに何が大切かを考えた。「地下水を守る」、「サンゴ礁の海を守る」「資源とエネルギーを大切にする」「ごみのない島を目指す」「より良い環境を未来にバトンタッチ」「すべての生物との共生を」など6項目を掲げた。3年経った今、どれだけのことが実現されているのだろうか。行政の施策や企業の取り組み、民間団体の活動、市民の暮らしなどを検証し「美ぎ島」を実現するために今何を成すべきかを考えていきたい。


 生産と消費という人間の営みの中で、繁栄の代償としてごみは増え続け、生活の中から出るごみを始め、産業廃棄物、建設廃材、廃油、廃プラスチックなど産業が生み出す物まで数限りない。自然に返らないプラスチックの容器やアルミホイル・CD・DVD・ビデオカセットなど、生活が便利になる一方で多種多様なごみも大量に発生している。

 生活ごみは、旧平良市が最初「燃やせるごみ」「燃えないごみ」の2分別を開始したが、今では可燃ごみ、資源ごみ、有害ごみ、危険ごみ、粗大ごみ、生ごみ、剪定枝葉などに分類して、決まった日、決まったステーションにごみを出し回収するとい仕組みが取られている。2005年に宮古島市となり、伊良部島も含めて、西仲宗根にある宮古島市クリーンセンターに搬入される。

 2010年の可燃ごみは約1万4千トン。カン・ビン・ペットボトル・紙などの資源ごみが約2064トン、粗大ごみが516トン、生ごみが138トンとなっている。年間だと全体で約1万7千トンが搬入されている。可燃ごみを有料化した2008年からごみの量は減っているものの、一方で不法投棄は増えている。

 8月に宮古福祉保健所管内の廃棄物不法処理防止ネットワーク会議の中で2010年度の不法投棄の実態が示され、総量8310トンであることがわかった。この数字は県全体の約8割を占めるものとして宮古地区における不法投棄の多さを物語った。中でも生活から出る一般廃棄物が全体の6割を占めているとして、市民のモラルが問われることになった。

 宮古島市クリーンセンターの下地孝市係長は「ペットボトルなどは資源ごみとして広域財団法人容器包装リサイクル協会(東京)に送ることになっているが、ラベルを剥がさなかったりキャップを取らなかったり出し方が守られていない。粗大ごみに関しても処理券(10キロ以上200円、以下は100円)を貼らない物が多く、分別を徹底してほしい」と話し、結局こうした物が、原野などに放置されるケースが増えている。

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