砂川 昌代さん(42歳)/歯科医師
(いすの木デンタルクリニック院長)
リラックスできる歯医者に
普天間基地の南東、クスノキ通りにある歯科医院。若い女医さんに女性4人のスタッフの醸し出すやさしい雰囲気が来院者に好評。「歯医者といえば痛い、恐いというイメージがある。そうしたマイナスイメージを取り除いてリラックスして受診できるよう、スタッフ一同心掛けている。QOL(生活の質)の維持を大事にして常に向上心をもって仕事に臨みたい」と砂川院長は目を輝かせる。
平良出身の砂川さん。大学卒業後は大阪で勤務医として訪問歯科、在宅歯科などの経験を積み、沖縄本島に戻り有病者の治療技術を向上させるため琉大付属病院歯科口腔外科に入局、全身管理などを含め学ぶ。その後、伊平屋村立歯科診療所で1年間、離島診療にも携わった。その後、本島へ戻り沖縄赤十字病院、南部徳洲会病院などに勤務、あらゆる体験を積んで2009年4月に宜野湾市でデンタルクリニックを開業した。
歯科医になろうと思ったきっかけは幼いころ歯の治療で病院へ行き、痛くてわんわん泣いた思い出があり、患者さんに不安を与えない歯医者さんになることを目指したという。「口の中をのぞくのが好きなんです。歯の形を設計というかデザインするのが面白ろくて気持ちはアーティストですね」と笑う。絵を描いたり彫刻などの趣味もあり、どこかでつながっている。「ただ、教科書で学んだ症例通りにいかないことも多々あり、臨機応変さも必要」と付け加えるのは、さまざまな体験をこなしてきた実績からきているようだ。
患者層は高齢者から子どもまでと幅広い。もうすぐ3年目を迎える病院は他の地域からも患者が訪れるなど、幅広く認知されてきたが、郷里で開業したいという夢もあった。昨年10月たまたま両親にそのことを打ち明けると、あっさりと「いいんじゃない」と言われ、気持ちは一気に郷里に向かっている。今年7月ごろに開業の目処もたった。
「宮古では、子どもたちに食べるという学習を通した歯の大切さを訴え、お年寄りたちの在宅医療にも力を入れ、CTを取り入れた口腔外科手術なども手掛けていきたい。また宮古病院での手術にも関わらせてほしいと願っている。何より痛みを最小限に止めたリラックス歯医者さんを目指したい」と希望にあふれている。
砂川昌代(すなかわ・まさよ) 1970年1月27日生まれ。宮古高校を卒業して朝日大学歯科部に入学、卒業後は大阪で6年間、勤務医。帰沖後は、2003年に琉大付属病院口腔外科に入局、09年「いすの木デンタルクリニック」開院。