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私見公論
2012年3月23日(金)23:22

「全日本トライアスロン宮古島大会」によせて/渡久山 明

私見公論 24


 「第28回全日本トライアスロン宮古島大会」の開催が4月15日となっておりますが、差し迫っているわりには意外と静かなのが気になっている今日この頃です。私は、大会を迎えるたびに、第1回のとき、開催に向けて緊張感のなか連日連夜一生懸命に取り組んでいた多くの委員や、事務局職員の姿を思い出します。


 私も、宿泊運輸部として第1回から何回か大会に関わりましたが、2回、3回と大会を重ねるたびに、こんな大きなそして素晴らしいイベントを立ち上げ、成功させた宮古人のパワーのすごさにいまさらながら驚いています。

 参加者の確保、大会組織の広域性、そしてスタッフの動員、マスコミ、雑誌等の取材の数、どれをとっても簡単になせる業ではないのですが、それを1年足らずで成し遂げたのですから奇跡的なことで〝すごい〟の一言です。

 特に、競技部は安全面の対策に相当の力を注いでおりましたが、未経験の大会ですし、水泳3㌔に自転車、フルマラソンと約200㌔と長距離の競技ですから、看板類や用具等も大変な量でしょうし、それだけの人の配置も必要ですので大変だったと思います。

 デコボコ等のコースの補修や宮古島全域に及ぶ大変な数の作業等を細かにチェックし、どんな小さなことにも対処していたことを思い出します。大会前夜遅くまでコースのパトロールをし、自転車コースに石ころが散乱しているとの連絡に、ほうきを持って清掃に出かけておりましたが、不眠不休の態勢でがんばった協議委員、職員の皆様も体力勝負で真のストロングマンだったと言えましょう。

 トライアスロン大会の成功は、宮古島にいろんな効果をもたらしたものと思います。例えば、以前は、「宮古島には、何があるの?とか、どんな島?」との質問に即答できない場合もありましたが、最近は相手方から「トライアスロンの島ですね」と言われることが多くあるように、宮古島のイメージと知名度アップがすすんだものと考えます。また、子供たちが自分の島に誇りと自信をもって話をしたり行動することにもつながっているように思います。そのほか郷友会等、島外との交流促進や宿泊施設の増大、そして観光産業発展等、宮古圏域の経済的活性化の大きな要因にもなったものと考えます。

 28年目を迎える現在ですが、同大会の目標である地場産業の振興への活用等、まだ十分とは言えませんし、今後とも宮古圏域の活性化対策の主要なイベントとして盛り上げていく必要があると思います。それには、初心を忘れずにできるだけ多くの人が大会に関わっていただくことによって安全対策を万全にするとともに、島を挙げての大会雰囲気が全国のアスリートたちの関心をいつまでも引きつけるのではと思います。

 しかしながらトライアスロンという競技は不思議な魅力をもった競技であります。あまりの過酷さに普通の人は参加しないのではと思ったのですが、毎回2000名以上の応募があり、そしていろんな方が自分の限界への挑戦に挑み、黙々とゴールに向かって行く姿に、観戦者も「もう少しだ、頑張れ」と言って引きづりこまれてしまいます。

 また、前浜のスタートシーン、美しい風景と長いレースが始まった緊張感はなんとも言えない感動ものです。そして、今にも倒れんばかりになって帰ってくる選手を涙ながらに迎える家族の姿もこのトライアスロンならではの人間ドラマで毎年感動をもらっております。今後とも、島ぐるみの素晴らしい大会として発展しますよう願いながら、ボランティアの一人として関わりたいと思います。

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