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2013年3月9日(土)22:44

与那覇 久美さん(53歳)/美容師・クラフト作家

手作りで人生豊かに


与那覇 久美さん

与那覇 久美さん

 美容室はクラフト材料や会員さんの作りかけの作品が所狭しと並ぶ。「どちらが本業か分からない」と話し、大らかに笑う。10年前、ゆいみなぁ講座で講師を務めていた友人を通し初めて出会ったクラフト手芸。それからというもの、とりこになった今では、公民館講座などで講師を務めるなど多忙な毎日となった。「誰でもできるけど、難点は夢中になってやり過ぎること」と話し、クラフトアートの魅力を語る。


 27年前、美容室を開業して現在に至る。「美容室って、お客さんを待つ仕事。待ち時間を利用して何かできないものか、いろいろ手仕事をやってみたが、クラフトが一番合っていた。5年間はひたすら独学、いろんなものに挑戦した」。それが基礎となってその後は、教える立場となった。「始めたらみんな夢中になって、ほんとに人生が楽しくなる」と笑顔。

 美容室は、クラフト仲間のミニサロンにもなる。年会費をいただいて、いつでも都合の良い時間に来て作品に取り組む自由さが受け、会員は延べ人数100人にも上る。向き合って手作業をするうちに悩みを打ち明けたり、困ったことを相談するなど、とても親しい間柄になるという。50代、60代の利用者が多く、中には仕事で定年を迎え、趣味のカゴ作りを通し仲間づくりにも活用している。

 編み方にはカゴ編み、石畳編み、斜め編み、そして、与那覇さんが開発したオリジナルの花編みがあり、会員が最も夢中になっているのが花編みだとか。いろいろ工夫して携帯入れや、テーブルマットなどアイディアが広がっていく。「やりだしたら時間を忘れてしまう。だから初心者には決してやり続けないこと。せいぜい1日2、3時間を勧めている。中には根つめて指を痛めたりする」と話し、クラフトには夢中にさせる何かがあるようだ。

 クラフト手芸は、もともと梱包用の紙バンドを使用して作られた。「最近は手芸用も作られているが、値段が高いので工業用で済ませている。接着剤も百均で十分間に合う」と、主婦の経済観念が働く。楽しみながら収入に換えている人も増えて来て、これからますますミニサロンは賑わいそうだ。

 与那覇 久美(よなは・ひさみ) 1959年9月9日、池間島に生まれる。宮古高校を卒業。名古屋で美容専門学校を卒業して就職。24歳で島に戻る。86年7月、美容室「アリス」を開業。2002年、友人を通してクラフトアートと出会う。07年から講師を務める。正美さんとの間に2男。孫2人。

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