病害虫阻止に使命感

高嶺　朝淳さん

　植物検疫の仕事は汚染されていない地域に、農作物の病害虫の侵入を許さないこと。「水際で阻止する」という強い使命感と自覚で職務に精励している。

　そのためには「一般の人たちに、病害虫に関する知識を広報することが大切」と強調するが「いろいろ工夫して進めているが、一朝一夕にはいかない」と言う。

　那覇空港出張所勤務のころ、移動規制がある農作物を現場で押さえた。「取り上げるのか」と怒られたが、水際で止めるためには「心を鬼にして」でも押さえなければならない。

　「植物防疫について知らないことがこのようなことにつながるので、広報が大切」と話し、興味を持ち理解してもらうために、那覇植物防疫事務所でイモゾウムシなど病害虫の大きな模型を作って空港内に展示するなど広報活動に力を入れる。

　移動規制の農作物について分からないことは遠慮せず、最寄りの防疫事務所や出張所に聞いてほしいと呼び掛けている。

　宮古島には２度目の赴任。時間が許せば趣味の釣りを楽しみたいと話す。

　高嶺　朝淳（たかみね・ちょうじゅん）　１９５６（昭和31）年生まれ。57歳。南城市玉城出身。県立南部農林高卒。74年農水省那覇植物防疫事務所に採用。同那覇空港出張所、平良出張所、石垣出張所次席などを経て２０１３年４月現職