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人生雑感
2011年8月2日(火)15:25

子どもの虐待の大きな原因は、親の結婚生活の破綻である

日本親業協会親業インストラクター 福里 盛雄


1 子供の虐待が増加している

 子供の虐待とは、子供に対して身体的傷害を加えたり、死亡させたり、性的暴行したり、ネグレクト「遺棄」したりすることを言う。子供に対する虐待は、毎日のように新聞等のマスコミで報じられている。昨年は5万件を越え、沖縄においても420件。子供に対する虐待は、子供の将来の可能性の芽をもぎとることになるのです。その虐待の仕方も同じ人間の仕業かと疑いたくなるようなものである。しかも虐待者は子と何らかの血縁関係にある場合がほとんどであります。特に実の親によって虐待されている場合は、他人がそう簡単に親子関係に介入できないことを悪用して、その虐待は長期にわたり陰湿であり、ついには命を失っていく場合もある。


 親は、子の監護教育する権利が与えられており、また、それは法律上の義務でもあります。親は子の監護教育のためには、愛のむちを加えることも必要でしょう。親は子を人間として成長させ、自分で生きていく力を付けてあげるために、厳しいしつけをしなければなりませ。子供は人として生まれてくるけれど、正しいしつけによって成長して人間として社会人の仲間入りをしていきます。

 このような親の子のしつけを乱用した虐待が多いのです。親は、しつけと虐待の境目を明確に識別していなければなりません。私は、しつけと虐待の識別の基準は、二つの面から、識別できるのではないかと考えます。一つは、親の内部の心的要素、すなわち親は心から子を愛してしつけをしているのか、自分のストレス解消のためにしつけという行為をしているのか、ということ。もう一つは、子の身体的精神的に、健全な範囲を超えないということである。親は、常に自分の心の状態を冷静に省察している必要があります。

2 子供虐待の例

 新聞等で報じられた虐待の主なる事例。①3歳男児内縁の夫の暴行による死亡 親族構成は母親と内縁の夫、弟、本人。②5歳男児 義父の暴行による死亡 家族構成は母親と義父、姉、妹、弟、本人。③2歳男児 母親の暴行で死亡 2歳児の子がねいぐるのボタンを引きちぎって渡さないことに腹を立てて顔をたたき、抱き上げて畳にたたきつけ死亡させた。④3歳児 継母の暴行で、あごが裂け、体中あざ、ついに死亡した。実父は制止しなかった。継母家族にはこの子は厄介者扱いされていた。⑤3歳児女児が両親のネグレクトによって餓死 体重5キロ、風呂は月一度、病院にも連れて行かなかった。医師の注意も無視してついに死亡させた。⑥3歳男児虐待死亡 食事も与えられず暴行家族5人で虐待し死亡させた。両親、祖父母、曾祖父母もそろっていながら、虐待を止める者はいなかった。

 前途のように、子供の虐待は破損家庭、特に夫婦生活の破綻の中で起きている。被害者は幼い子供であり、自分から虐待を受けていることを公表することは多くのリスクを伴う。例えば、自分の親から虐待を受けていることを外部に漏らすと生活の糧を絶たられるか、虐待が厳しさを増してくる可能性もある。そのために行政機関も虐待の防止策を講じているが、親権の壁に阻まれ、現代の個人の権利の尊重を優先する法制度の下では、おのずと限界がある。そのために、虐待の兆候に気付きつつも、虐待によって幼い命が失われていくことは忍びないことです。「私を助けてください」と叫ぶ声が、世の良心に響き続けています。行政機関ももっと積極的に介入して幼い子供たちを虐待から救い出す策を講ずる義務を負っているものと考えます。

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