04/19
2024
Fri
旧暦:3月11日 先勝 癸 穀雨
日曜訪問
2013年8月18日(日)9:00

砂川 史香さん(26歳)/学芸員

島に根ざす歴史文化の紹介を


砂川 史香さん

砂川 史香さん

 「先史時代、私たちの先祖はどんな人たちで、どんな暮らしをしていたか興味があった」と話し、大学では考古学を専攻、現在、宮古島市総合博物館で学芸員を務める。「県内では珍しい総合博物館なので、歴史、民俗、自然科学、美術工芸など全般を扱うことで知らないことがたくさんあり、逆に学ばなくてはならないことが多い」と真摯。現在、第25回企画展「美ぎ布~苧麻糸が繋ぐ伝統の技」が進行中、この日は行政チャンネルに紹介するため、自ら宮古上布の古布を着て企画展をアピールする。


 高校の夏休みの宿題で宮古の歴史をテーマにいろいろ文献をあさった。その時に感じた「宮古にはどうして縄文や弥生時代の文化がみられないのだろう」という疑問がこの道へ入るきっかけとなった。地味で忍耐の要る発掘作業も体験してきた。大学の頃は、島尻の長墓遺跡や西表島の網取遺跡の発掘も経験。「炎天下、スコップを手に一日6、7時間ひたすら遺物を求めて出て来い、出て来いと独り言を唱えた」と笑う。

 年に5、6回行われる博物展の企画展。17会から関わる。東平安名崎の自然と歴史展、宮古上布展、三線展、マングローブ環境とそこに暮らす生きものたちなど、いろいろなテーマで行ってきた。企画展の他にも「子ども博物館」も担当。5月にスタートして翌年の2月まで年6回行われる博物館事業で多くのミニ博士たちが巣立っている。「私も小学生の頃参加してとても貴重な体験をしたのでこの企画には力が入る」と目を輝かせる。

 学芸員の仕事は、収蔵品の収集、保管整理して受け入れ時の状態を保ち、必要であれば修復して管理していくといった作業が求められる。「現在は、受け入れが精一杯で、将来は自ら出向いて収蔵品を見つける作業と、その研究にも努めていきたい。また、自分の専門を生かして、2年前に行われた『宮古人のルーツを探る』のパート2を企画展として市民に紹介したい」と夢は広がる。

 今年の春は沖縄県博物館協会の研修会が宮古島で開かれた。テーマは「観光と博物館」。「観光客が来てくれるのも大事だが、まず市民に愛される博物館でありたい。暮らしに根ざした歴史文化を紹介していきたいので、まず企画展に足を運んでいただきたい」と話し、身近な施設として活用することの大切さを訴える。

 砂川 史香(すなかわ・ふみか)1986年10月19日生まれ。宮古高校を卒業して東海大学文学部歴史学科考古学専攻、2009年卒。同年、学芸員資格、中学校教諭一種免許(社会)と高等学校教諭一種免許(地理・歴史)取得。2011年4月宮古島市総合博物館学芸員に採用される。

カテゴリー一覧

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!