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まちからむらから
2014年1月19日(日)8:55

新たな旅立ちに悲喜こもごも/来間幼・小中学校

中学校最後の卒業生は砂川君


4月からは、それぞれ違う道を歩む子どもたちと職員=1月16日、学校の中庭で

4月からは、それぞれ違う道を歩む子どもたちと職員=1月16日、学校の中庭で

 来間島は周囲約10㎞の農耕地帯。1995年、橋が架かって生活は便利になったものの、子どもたちの数は年々減少し、来年度からは中学校がなくなり、下地中学校に統合されることになった。島はこれまで学校を中心に共同生活体がまとまってきた。現在、来間幼・小中学校(知念安則校長)は、園児2人、小学生3人、中学生3人の8人。職員は14人。一昨年から宮古島市の学校規模適正化に関する学校統廃合問題はいやが上にも重くのしかかった。地域の大人たちは最後まで現状維持を望んだが、生徒たちの教育環境を整備するとの大方の意見によって、小学校だけが残ることになった。知念校長は「島の文化は学校を中心につくられてきた。時代の流れで中学校は止むを得ないとしても、小学生は地域の中で育てていきたい。3月に行われる中学校最後の閉校式は、地域の皆さんと一緒に取り組んですばらしいものにしたい」と話す。

新年度からは小学生3人に

 2014年度、小学校に入学するのは砂川秀美ちゃん、砂川世凪君。下地中学校に通うのは新2年生になる國仲翔太君と古波蔵恵太君、新1年生の伊禮二千花さん。来間中学校の卒業生は砂川進一君で、すでに進路も決まっており、宮古総合実業高校の海洋科を目指す。砂川君は「将来、海に携わる仕事がしたい。中学校がなくなることは寂しいことですが、それぞれ夢に向かって進む以外にない」と話し、高校生活に希望を託す。
 3月で定年退職する知念校長は「学校も私自身も節目に当たり感慨深いものがある。不思議なことですが、今度卒業する砂川君は卒業番号が500番にあたり、また昨年秋の全宮古陸上競技大会では各校での順番制が回ってきて選手宣誓を行うなど、不思議な巡り合わせがあった。閉校は残念だが私としては前向きな気持ちで受け止めることにした。今後の学校運営に関しても希望をもって新しい校長に期待したい」と話す。4月からの来間幼・小学校は、生徒数3人になる。こうした現状に不安を隠せない親や地域の人たちは、あらゆる活性化の道を模索する。

学校の概要

 下地尋常小学校の分教場として設置されたのが1895(明治28)年、1919年に独立して来間尋常小学校となる。48年、来間小学校に変更、下地中学校来間分校を併置、翌年、来間中学校になる。47年、125人在籍していた小学生は、80年代から年々減少傾向を見せ、81年には小学校入学児童なしに。
 来間大橋が開通した95年、創立百周年記念事業が行われ、式典・祝賀会や大運動会、50本のリュウキュウマツ記念植樹、校歌碑設置などがおこなわれている。市町村合併に伴い、2005年、宮古島市立来間幼稚園・小中学校と改称。小規模校としての指導法、研究がなされ、基礎的・基本的な知識や技能を確実に定着させるための工夫が確立されてきた。歴代校長は、現在の知念校長で37代目。

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