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私見公論
2014年2月15日(土)8:55

一隅を照らす/久貝 陽子

私見公論81

 高校卒業後、島を離れ都会での生活を経験しました。一身上の都合で戻り現在に至っていますが、改めて島の素晴らしさや大事さに気づき、何か宮古のためにできることはないかと思っていた頃でした。

 平成10年3月に「日本を美しくする会」が平良中学校にて「掃除に学ぶ宮古島大会」を催し、私も参加させていただきました。

 トイレ掃除、特に公共の場所のトイレは汚いというイメージで頭の中はいっぱいでした。最初恐る恐る始めたものの、段々手が一生懸命になり、便器を磨いています。隣で子供たちも裸足になり、一生懸命です。古い校舎のトイレが徐々にきれいになっていきます。「掃除のコツは一カ所を徹底的に行うことです」と「日本を美しくする会」会長(当時)の鍵山秀三郎さんに教えていただきました。不思議! 一カ所きれいになると、隣に手が広がります。そして段々心がさわやかになっていきます。掃除の後の何てさわやかなことか。

 これならやれるかもしれないと思い始めました。そして気づけば15年。飽きっぽい私が今現在、毎週日曜日の早朝、荷川取漁港の公衆トイレを掃除させていただいています(たまにさぼりますが…)。一人でやると長続きしなかったと思いますが、傍らには主人も一緒です。またもう一人忘れてならない大事な方が下地初子さんです。彼女が頑張っているから私も続けられています。

 漁港のトイレ掃除を始めた頃は、意気込んで「宮古を美しくする会」を立ち上げ、十数名でスタートしました。人数が多いときは、周囲のゴミ拾い、花植えもしました。現在は3人で続けていますが、またメンバーが増えることを期待したいと思っています。
 漁港のトイレ掃除をしていく中でいろんなことが見え、お願いしたいことがいくつかあります。①ティッシュペーパーをトイレに流さないでください。詰まるんです。何度もそれを取り除く作業をしています。②たばこのポイ捨てや吸い殻を便器の中へ入れないでください。公共の場所はみんなの使う所です。③落書きはしないでください。④貼り紙もやめてください。

 掃除は次元の低いものと思われ、小さな地味なことです。特に汚い場所を年中見ていると気持ちが荒んできて、心の荒みが世の中を悪くすると言われています。他府県で荒れた中学校があり、清掃活動をして見違えるほどに改善したと聞いたことがあります。

 一人一人が公共の場所に目を向け、心を寄せることで、宮古島が美しくなれるのではないかと思います。青い空、きれいな海、癒やしの島ということで年々観光客も増え、最近は交差点ごとに花が咲きうれしい限りですが、目を移すと「おっと」という場所があります。不法投棄・ポイ捨て…、そういうことがなくなってこそ、宮古島は日本一のきれいな島になっていくのではないでしょうか。自分にできること、小さなことでいいです。家の周囲を見回るとか、花の1本でも植えるとかでもいいと思います。

 「宮古島をきれいにしよう」の輪が広がっていくことを願ってやみません。「平凡なことを徹底してやることが非凡を生み出す」と鍵山秀三郎さんが話されていました。
 「一隅を照らす」そういう一人でありたいと思っています。

 久貝 陽子(くがい・ようこ) 1950年生まれ。宮古島市平良出身。68年宮古高校卒業後、就職のため上京。83年宮古へUターン。84年1ねん2くみ勤務。91年丸久洋服店勤務。97年サン・ルーム(エステサロン)開業。2002年丸久洋服店勤務。同年農業を始める。

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