響きあう喜び、歌声和して15年/宮古フロイデ合唱団
結成記念コンサート
宮古で唯一大人の混声合唱「宮古フロイデ合唱団」(高田憲団長)。今年結成15周年を迎え、9日マティダ市民劇場で記念のコンサートを開催した。第1部で古里の民謡を編曲して紹介、2部では地元で活動する若手の歌い手や演奏者によるゲスト出演、団員の男声・女声アンサンブルなど変化に富んだ歌声を披露し、3部で混声合唱組曲やミュージカルに取り組み見事なハーモニーを響かせた。
「第九」に魅了されて
同合唱団は、1998年「うえのドイツ文化村開村記念コンサート」で、ベートーベンの「交響曲第九番合唱付き第4楽章」が沖縄交響楽団によって演奏され、参加した地元の愛好者が集い結成された。翌年からフロイデ(ドイツ語で歓喜の意味)を団名に活動を始めた。将来は「第九」の全合唱曲をドイツ語で歌うことを目指しつつ、ハーモニーの美しさを表現する楽しさに魅了され、さまざまなジャンルに挑戦してきた。
10周年記念コンサートでは、県内で活躍する声楽家・田里直樹さん、具志史郎さん、宮古在住の宮里敦子さん、平良佳野さんらをソリストに迎え、他の合唱団の賛助出演を得て、宮古高等学校吹奏楽部の演奏で、念願の「交響曲第九番第四楽章」全合唱曲を歌い通したことは高く評価された。
組曲やミュージカルに挑戦
今回は、第1部「ふるさとの大地で」をテーマに、「ばんがむり」「なりやまあやぐ」「伊良部トーガニー」を歌い、宮古の「芭蕉布」ともいえる「宮古上布の歌」をコーラスで初めて舞台に上げた。この3年間すっかり聞き慣れた「花は咲く」は、会場を優しく包み、中には口ずさむ姿も見られた。第2部では、与座理恵子さん・糸洲美和子さんの二重唱、男声アンサンブルによる「荒城の月」、池村綾野・真理野姉妹によるピアノとサックスによる演奏、女声アンサンブルによる映画音楽から「天使にラブソングを」と続き、会場を魅了した。
第3部では、混声合唱組曲「心の四季」より、「風が」(第1曲)、「山が」(第4曲)、「雪の日に」(第6曲)と続き、テーマの「響きあう喜び」を表現した。初めて挑戦したミュージカル「レ・ミゼラブル」の中の「夢やぶれて」と「民衆の歌」は長濱さんの編曲で構成され、物語を彷彿させるようなハーモニーを披露した。最後は「歓喜の歌」を力いっぱい歌い、会場から大きな拍手が沸いた。
指揮者の長濱隆さんは、今回のコンサートは、節目ということもあるが、東日本大震災から3年、復興の願いを込めた「花は咲く」を始め、「宮古上布の歌」(大山高春・作詞/宮平孝志・作曲)、混声合唱組曲「心の四季」(吉野弘・作詞/高田三郎・作曲)、1985年の初演で、いまだに人気の衰えないミュージカル「レ・ミゼラブル」に挑戦したと解説。
同合唱団の構成
指揮者=長濱隆、ボイストレーナー=平良晴美、伴奏者=福本聡子・島尻真由美、副団長=下地昭五郎・新城悦子。団員=バス(7人)、テノール(5人)、アルト(15人)、ソプラノ(13人)