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行雲流水
2014年8月30日(土)8:55

「ウオーキング」(行雲流水)

 近年、宮古島には健康増進のためウオーキングをする人が増えた。東小学校裏の「学びの森」は、足早に歩き汗を流す人たちで朝夕にぎわう。60代の男性は定年後ほぼ毎日歩き、少しはやせたと笑顔だった

▼学びの森はウオーキングだけでなく、原生的な植物や野鳥、昆虫など豊かな自然を観察できるのが良い。シダ類の群生やアダン、シマヤマヒハツ(方言名・トゥスピャ)などは宮古島誕生以来の植生だ。甲高い野鳥のさえずりは元気を与えている。森の空気はマイナスイオンを多く含み、人の心を癒やす効果もあるという

▼市健康増進課によると、宮古島市の男性の肥満率は約50%(2013年度現在)と県内41市町村の中で最も高い。肥満は高血圧や心臓病、糖尿病、がんなど生活習慣病の要因になる。同課は「宮古の人は近くへの用事でも自動車を使い歩かない。食事は野菜が少なく、酒の量が多い」と、宮古に肥満の人が多い理由を推測。生活習慣病予防には、健全な「歩く生活習慣」に回帰する必要があるとの考えを示した

▼人は快適な生活を求めて車社会を発展させてきた。宮古でも一家に約2台の自家用車を持つまでになった。車社会は人々の移動を便利にした一方で、歩く機会を大きく減らした。肥満防止と足腰の強さを維持できる1日の歩数の目安は1万歩。これは意識して、5~6㌔歩かないと達成できないという

▼市の高い肥満率改善は個人の意識改革と、「うぷばた(大腹)減脂(ヘルシー)大作戦」など官民一体の活動強化が望まれる。(松)

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