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まちからむらから
2014年11月16日(日)8:55

彩り変わる伊良部島/伊良部地区

豊富な観光資源


多くの観光客の来訪が予想される渡口の浜

多くの観光客の来訪が予想される渡口の浜

 伊良部大橋の開通が迫っている。工事は仕上げの段階に進んでいて、関係者の動きも忙しさを増している。それにつれて伊良部島民の多くが期待感と関心を高めており、水産業や教育面の振興に期待を示していた佐良浜地区に続き、農業や観光振興などに関心をみせる伊良部地区の表情を追った。

 伊良部地区は農業を主体としている。宮古本島同様にキビ作が中心で、これにカボチャ、ニガウリ、オクラが続くが、果樹生産の例は少なく、畜産面も宮古本島の他地区に遅れをとっている。その要因としてアクセスの悪さによる輸送コストの高さや、農地の基盤整備の遅れ、そして地下ダムの恩恵にあずかっていないなど、文字通り離島であることが振興を阻んでいる。

 それだけにアクセスの改善と併せて地下ダムの水を送ってくる大橋に寄せる期待は極めて高い。

 そして大橋は人々の往来を自由にする。これは島民の暮らし全般に影響を及ぼすもので、特に学校を中心にした教育振興のてこになると、学校現場の教師をはじめ父母たちは期待する。

 さらに人の往来の増加はさまざまなビジネスを生む可能性をはらんでおり、特に観光面に関心が集まっている。伊良部島や隣接する下地島には渡口の浜や佐和田の浜といった景観の優れたビーチ、それに伝説に彩られた通り池などさまざまな観光資源が存在するほか、下地島周辺海域はダイビングスポットとして全国的にも知られており、これらが数多くの観光客を呼び寄せるものと関係者は期待している。

 事実、伊良部島の南側海岸沿いには美しいサンセットを楽しめる場所が多く、それを売りとするコンドミニアムの建設が進められている。

 また、下地島空港についても沖縄県が民間とタイアップする形で振興企画の具体化が進んでいる。これらの動きは雇用や経済的インパクトが強く、宮古本島同様にリーディング産業に発展する可能性があり、ひいては島の産業構造の転換といった変化さえもたらしかねない。その歩みの始まりとなるか、大橋の供用開始は目前だ。

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