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行雲流水
2015年5月28日(木)8:55

「5月台風」(行雲流水)

 地球規模の気候変動は、宮古島にも影響を及ぼしつつあるようだ。5月の台風は珍しくなくなった。接近回数だけではない。前回の最大瞬間風速は50㍍、今回は58㍍だ。今年も葉タバコが大打撃を受けた。今年の被害額は収穫予定額の8割超、約25億円だという

▼従来、葉タバコは台風の来襲前に収穫できる適地適作だと思われていた。しかし、葉タバコの台風対策についても真剣に考える必要がありそうだ。さいわい、葉タバコ栽培の委託会社は、天下のJTだ。市と県とJTがタイアップすれば、台風対策技術を開発できるのでは

▼防風林、開閉式ハウス、ネットなどが考えられるが、費用対効果など総合的な比較研究が必要だ。防風林には作物への日照をさえぎらないための樹種選定、ハウスには強度を強くすれば費用が逓増(ていぞう)するなどの弱点がある。手っ取り早い方法はネット(魚網)の活用だが、これも網目の大きさと防風効果の関係が未知だという弱点がある

▼しかし、葉タバコに的をしぼって、各分野の専門家を動員すれば、現状改善のための最適解は得られるのではないだろうか。問題は、専門家の人選、研究体制の構築、予算の確保だ

▼この研究過程で得られた知見は、パパイア、ゴーヤー、カボチャ、葉野菜など他の野菜類の防風対策を考える上でも有用だ。発展的に応用するための知見が得られるはずだ

▼他方、共済制度の見直しも必要だ。農家の加入費用を低減して、加入率を高める方策を工夫したい。公的資金の導入も視野に抜本的な改革が必要だ。

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