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行雲流水
2015年7月21日(火)9:01

【行雲流水】「宮古高校の野球」

 熱戦が繰り広げられた第97回全国高校野球選手権沖縄大会は興南高校が優勝して、その幕を閉じた。宮古高校は春の県大会で準優勝して、今大会でシードされ、浦添工業、読谷、中部商、具志川商を破る快進撃をみせたが、準決勝戦で糸満に敗れ、待望の甲子園出場は成らなかった

▼高校野球で、高校生たちのきびきびと果敢にプレーする姿は高校野球ファンの感動を呼ぶ。また、郷土の応援には特別なものがある。特に沖縄では、高校野球の歩みが県民に大きな喜びと希望を与えてきた

▼昭和33年、首里高校が初出場したとき、甲子園の大観衆から万雷の拍手を受けた。しかし、米軍統治下の植物防疫法のゆえに、選手たちの持ち帰った「甲子園の土」が沖縄の海に捨てられた。その後、興南や豊見城、沖水の活躍した時代があり、平成11年、沖縄尚学が、沖縄勢として初めて甲子園で優勝した。さらに、平成22年、興南が春夏連覇を達成して、県民を歓喜させた

▼宮古高校にも語り継がれるいくつもの歴史がある。そのひとつ。九州大会で長崎の佐伯鶴城を下し、2回戦で長崎海星と対戦した。外野フライが飛んだ。捕球すれば試合終了。センバツ出場がほぼ確実になる。しかし、打球は無情にも外野の頭上を越えていった

▼野球に限らずスポーツは、より高いもの、より良きもの、より美しいものを求める理想追求のひとつのかたちである。選手たちの人間形成に果たす役割は大きい

▼『栄冠は君に輝く』は謳う。「一球、一打にかけて、青春の賛歌をつづれ」

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