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人生雑感
2015年12月1日(火)9:01

【人生雑感】知識だけでは子は育たない。親の知恵が健全な子を育てる力となる.

日本親業インストラクター 福里盛雄

1 知識と知恵はどう違うでしょう

 広辞林によると、知識とは、知ること、認識すること、理解すること、と説明されています。そして、知恵とは、物事をよくわきまえて明らかにする。心の作用、物事を計画し処理能力、と説明されています。言い換えれば、知識は物事の性質や構造をよく理解する能力であり、知恵は、その知識を実際に正しく応用する能力であると考えます。

 例えば、この川の水は、沸かさなければ飲めない水であることについて、知っていることは、川の水の質についての知識であります。その知識を持っているなら、そのままでこの川の水を飲むのは止めよう、と決断し飲むのを止めるのを選択するのは、知恵であると考えます。
 このように、知識が現実の行動まで昇華されたものが、知恵であると考えます。どれほどの多くの知識を持っていても、その知識を正しく実践しなければ、その知識は、宝の持ち腐れであり、何の益もありません。このように、知識はこれを実践する知恵によって生きた力となります。現代の親は高学歴者が多く、いろんな知識を蓄えています。ある面では知識偏重であり、そのために、自分の知識のみに頼って子供と接しています。もちろん、知識も大切ですが、子供と適切に接するためには、その知識を正しく子に伝えるためには、親に知恵が要求されます。親は、子の抱く感情を共有する知恵を持っていなければなりません。その知識を実践するためには、それに関する技術が親に要求されます。その技術がないと、親が子を愛することは、子に正しく伝わりません。

2 健全な子育ての知恵の修得には、「親の実践訓練・親業」講座が参考になります。

 親の子を愛する思いを正しく伝達するためには、親に対する訓練が必要です。例えば、子が学校から悲しそうに涙を流しながら帰ってきて、「お母さん、直美ちゃんが転校するのよ。私の大好きな直美ちゃんが転校していくから、私は悲しいよ」と子供が言ってきた場合、悲しんでいる子を慰めるためには、いろんな態様が行われています。
 人生の別離について深い知識のあるお母さんは「人生には、別れなければならない時もある。それに悲しんではならない、元気を出して」と言う。自分の子の友人との付き合い方に自信を持っているお母さんは、「また、新しいお友達ができますよ」と言う。人生の悲しみ、苦しみの中を歩んできたお母さんは、「このくらいのことで悲しむのか。他にも悲しいことはいくらでもあるのよ。もっと強い心を持たなくては」と言う。これらのお母さんたちの考えていること、言っていることは、ある面においては正しいと思います。しかし、これらのお母さんたちの対処の仕方によって、親しかった大好きな直美ちゃんの転校を悲しんでいるこの子の悲しみは、本当に癒やされるのでしょうか。
 聖書は「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」と教えています。このみ言葉通り、直美ちゃんが転校していくことを、悲しんでいる子の悲しみを自分の悲しみとして共感して、「あなたの大好きな直美ちゃんが転校していくことは、悲しいよね」と子の悲しい気持ちをくんだ、親業で言う能動的聞き方で応答すれば、子は自分の気持ちがお母さんに理解されたことに満足し、自分の力で、新しい友人をつくるなり、その他いろんな方法を考え出して、その悲しみを克服していきます。
 子の言葉に対して批判したり、指示したりしないで、子の気持ちを共有して返すことが、どれほどの効果があるかは知識としては理解していても、その知識を知恵まで高めるためには、親業講座で訓練される必要があります。子との対話には、親の技術が要求されます。

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