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【特集】新年号
2017年1月1日(日)9:09

ムイガーに脚光/城辺

アダンの葉でふさがれていた展望階段。1967年建設

アダンの葉でふさがれていた展望階段。1967年建設

 城辺仲原のムイガー断崖が脚光を浴びそうだ。昨年11月、海抜50㍍の断崖を上る展望階段が復活した。頂上から眺める東海岸の断崖は息をのむ絶景だ。荒々しい自然と島の鼓動を感じることができる。

 城辺友利のインギャーから、東向けに3㌔ほど進んだ場所が今回の名所。そこから海側に100㍍下るとムイガーの断崖が目に飛び込んでくる。先端が少し突き出た形が印象的。その断崖を切り裂くようにコンクリート製の階段が続く。1967年に建設された。

 階段を上り始めると、アダン、ススキ、シャリンバイの葉が風に揺れる。むき出しの岩肌に、へばりつくように生きている植物群が環境の厳しさを物語る。

 90段の階段を上り切ると10人ほどが立てる頂上広場に着く。東に目をやると島を浮かび上がらせる断崖が東平安名崎へと延びる。空と海の青、島の緑のコントラストが絶景を彩る。

 鋭角に切られた断崖は数㌔続き、崖下には無数の岩がごろごろと転がる。そこに打ち付ける白波。これらの一つ一つが雄大で荒々しい自然を演出している。

 実はこの名所、2005年の合併以降、管理の手が届かなくなり、草木が伸びて階段も頂上広場も全部覆い尽くされていた。だから誰も入れなかった。

 そんな名所を復活させたのが城辺地区地域づくり協議会(神里清春会長)の皆さん。みんなで協力して伸び放題の草木を除去し、展望階段を復活させた。

 同協議会の多良間隆事務局長は「ここは東平安名崎と並ぶ名所。この絶景を多くの市民、観光客に見てもらいたい」と話す。「絶対に支持されると思う」と豊かな地域資源を誇った。

 宮古島と言えば透き通る海と真っ白なビーチ。ムイガー断崖はそんな代名詞とは正反対だ。それでも、観光資源として大きなポテンシャルを秘めていることだけは間違いなさそうだ。

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