早期「自走化」の声多数/ループバス
運行説明会で参加者訴え/2次交通不足問題に危機感
島内の観光地、宿泊施設などを循環する「宮古島ループバス」。今年度の実証運行についての説明会が22日、市役所で行われた。2025年度から補助金に依存しない民間負担による「自走化」を目指していることが運営事務局から説明されたが、参加者からは最近のレンタカー、タクシー不足による2次交通問題が深刻化していることが指摘され、観光客の移動手段確保の観点からも早期の「自走化」に向けた取り組みの必要性が求められた。
ループバスは市による市バス交通利用促進実証委託業務で、総合商社の双日が全体統括と事業性検証などを担い、宮古協栄バス、八千代バス・タクシー、中央交通の3社が共同運行を行っている。
自走化に向けては、22年度までが実証運行、23、24年度に自走化検証を経て25年度に民間負担100%での運行を目指している。
参加者からは「現状の2次交通の問題を考えると今の計画では厳しい。レンタカー、タクシー不足は宮古島観光にとって風評被害になりつつある。次年度からの自走化の仕組みを作る必要がある」との声が多く出された。
また、来年には300室以上を有する「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」が、平良港トゥリバー地区で開業することもあり、より多くの観光客が訪れることで島内における2次交通の問題がより一層深刻化することへの懸念も示された。
自走化の前倒しに向けて参加者からは、旅行代理店とより連携を密にしてやり取りをするほか、より効果的な路線の抽出や3~4のルートをつなぐターミナルの必要性なども求められた。
こうした意見に対して事務局からは「前倒しについては歓迎ではあるし、実現できるのであれば目指したい」と話した。
今年度のループバスについては、8月から10月と、11月から来年2月の2回に分けて運行する。
運行は夏季が北小前を起点に市街地、宮古空港、宮古島東急ホテル&リゾーツ、来間島のシーウッドホテル、ユニマットリゾート、東平安名崎、吉野海岸までの往復ルートに24カ所の停留所を設け、冬季が22カ所となっている。