相手方死亡で債権放棄/未払い賃料計3935万円
造船所2件 回収不可能と判断/市議会3月定例会に市提案
市は平良荷川取の市有地にあった造船所2件の未払い賃料および遅延損害金合わせて3935万4362円を債務者の死亡によって回収は不可能と判断し、債権を放棄する議案を開会中の市議会3月定例会に提案している。2日、提出議案に対する質疑があり、大嶺弘明建設部長が経過を説明した。
債務者は平良荷川取にあった宮古造船所と伊計造船所。市は1993年4月、両社と土地賃貸借契約を締結した。宮古造船所とは3170平方メートルを月額9万5100円、伊計造船所とは3693平方メートルを月額11万790円で契約した。
宮古造船所は翌年から支払いが滞るようになり2011年3月までの間、滞納賃料1787万8800円、遅延損害金2071万5800円が発生。市は同年、契約解除を通知し、納付を求めたが全額回収はできなかったため、裁判を提起し、支払いと立ち退きを求めた。13年に裁判は市側の勝訴で決着。市は土地明け渡しまでの間の未払い金2140万2122円の支払いを求めてきたが、支払いがないまま16年に代表者が死亡し、会社の実態も確認できない状況が続いていた。
債権放棄が今年になったことについて大嶺部長は「顧問弁護士との相談に時間を要した」と説明した。
伊計造船所も契約3年後から支払いが滞るようになり、同様の経過をたどった。12年に裁判で決着した。市は未払い金から代物弁済額を差し引いた額の1795万2240円の支払いを求めていた。伊計造船所は14年に解散し、代表者は翌年、死亡している。
市有地は15年と18年にそれぞれ別の事業所に売却された。