04/26
2025
Sat
旧暦:3月29日 先勝 乙 
社会・全般
2017年6月28日(水)9:05

陸自配備は緊張高める/東アジア共同体研究所講演会

鳩山由紀夫氏ら講演


鳩山氏と高野氏の話に聞き入る来場者たち=26日、JAおきなわ宮古地区本部大ホール

鳩山氏と高野氏の話に聞き入る来場者たち=26日、JAおきなわ宮古地区本部大ホール

 東アジア共同体研究所講演会in宮古島(主催・同実行委員会ほか)が26日、JAおきなわ宮古地区本部大ホールで開かれた。元首相で同研究所理事長の鳩山由紀夫氏が「東アジア共同体構想」、同理事の高野孟氏は「中国脅威論の嘘(うそ)を暴く」をテーマに講演した。鳩山氏は「武力で平和は作れない」と主張。「中国脅威論」に疑問を呈し、宮古島への陸上自衛隊ミサイル部隊配備は緊張を高めるとの考えを示した。

 鳩山氏は最近の世界情勢について、国や地域の境界を越え世界単位で物事を考えるグローバル化が行き過ぎた結果、利益が一部に偏る状況が生じ、自国の利益を最優先するナショナリズムが求めれるようになっていると分析。それらの問題を解決するため方法として地理的に近い国々で共同体を形成する「リージョナリズム」を挙げ、東アジアでその共同体を形成したいとの考えを示した。

 「中国脅威論がまかり通っていることそのものが問題」と語る鳩山氏。抑止力として宮古島へ陸自ミサイル部隊を配備することは相手国にとって、けん制と捉えられ緊張感が高まり、相手がさらに抑止力を高めるという「抑止力のパラドックス(逆説)」が生じ、その結果、ささいな衝突が戦争の引き金になりかねないと警鐘を鳴らす。その上で「宮古島にミサイル部隊が本当に必要なのか真剣に考えてほしい」と呼び掛けた。

 また、日本が平和を維持するためには東アジア周辺国と協力体制を築くことが重要との認識を表明し、「沖縄が東アジア共同体の中心的役割を果たすべき」と語った。

 高野氏は、現在、政府が進めようとしている南西諸島への防衛強化について、旧ソ連崩壊に伴い余剰となった北海道の陸自部隊の新たな配備先として、「中国脅威論」を理由に計画されたものとの考えを示す。ミサイル発射訓練を繰り返す北朝鮮が平時に日本を攻撃する可能性について「アメリカに北朝鮮を攻撃させる理由を与えてしまう」と否定的。平和維持のために日本が行うべきことは、万一、アメリカが暴走しそうになった時、東アジアで一体となってアメリカを止めることとの見解を述べた。

 会場には多くの市民が来場し、両氏の話に聞き入っていた。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年4月23日(水)9:00
9:00

多良間島、3部門で上位/マリンダイビング大賞

「初めて行きたいエリア」1位/スキューバダイビング専門ウェブサイト   【多良間】年間125万人が利用するスキューバダイビングの専門ウェブサイト「マリンダイビングWEB」が発表した「マリンダイビング大賞2024」の年間ランキングで、多良間・水納島が「…

2025年4月16日(水)9:00
9:00

今年105回の入港予定

クルーズ船、昨年の2倍/平良港   今年一年間に平良港への入港が予定されているクルーズ船の回数は105回で、昨年の52回の2倍になることが那覇港管理組合クルーズ寄港予約管理システムのまとめで分かった。今年は1月1日の「コスタセレナ号」(11万4261…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!