キビ被害5億7000万円/台風18号
折損、葉の裂傷全域で/11年に次ぐ大きな被害
台風18号の直撃で、宮古島市と多良間村は15日、農作物の被害状況(速報)を発表した。基幹作物サトウキビの被害額は5億7300万円。収穫面積5426㌶に対する被害率は7・4%だった。2011年、農作物に甚大な損失を与えた台風2号直撃時に次ぐ大きな被害となった。9月台風では14年前に猛威を振るった14号に次ぐ被害額。
台風18号は13日から14日にかけて宮古島地方を直撃した。猛烈な風はサトウキビをなぎ倒し、多くの梢頭部を吹き飛ばした。
市、県、製糖各社、JAは14日午後に島内全域で被害調査を実施。調査結果を分析した上で15日午後、報道機関に公表した。
被害はサトウキビが最も大きく、減収量は2万5800㌧だった。今後の成長率を加味した被害額は5億7000万円に達した。
作型別に見ると、ここ数年で急伸した株出し(2697㌶)の被害率が9・7%と最も大きい。
台風直撃時、茎長2㍍ほどに真っすぐ伸びていたサトウキビは暴風にあおられて激しく揺さぶられた。葉は裂け、梢頭部は吹き飛ばされた。根元や中間から折れたケースもあった。
面積2433㌶の夏植えの被害率は5・4%、株出しと比べて茎長がある夏植えのサトウキビは横倒しになり、葉の裂傷は全域で見られたが、被害の程度は比較的抑えられた。
面積が小さい春植えの被害率は9・2%、被害額は3300万円だった。
市村別に見ると宮古島市が被害率7・7%で被害額5億5800万円、多良間村は被害率3・1%で被害額1500万円だった。
台風18号直撃に伴う今回の被害額は、2003年台風14号直撃時の9億5000万円、11年台風2号直撃時の6億2700万円に次ぐ大きさだった。
サトウキビの葉の裂傷は生育を鈍化させ、折損被害は生育をその段階で止めてしまう。今後の生産量に与える影響が懸念される。
会見で、市農林水産部の松原清光部長は「葉の裂傷や折損の被害を全域で確認している」とし、今期の生産見込み量33万㌧(第1回調査)に「少なからず影響は出てくる」と話した。
サトウキビのほか、オクラでも約3㌧、190万円の被害が出ている。