乗合タクシー、4月再開/市地域公共交通会議
地元2社が自主運行/空港-市街地を周回
宮古空港と市街地を結ぶ乗合タクシー「宮古島くるりんバス」の運行が4月に再開される。昨年の実証を踏まえて継続的なサービスの必要性を重視、地元2社が自主運行に踏み切る。料金は実証時と同じ一律500円に設定し、土日を除く週5便で半年間の限定運行となる。14日、市の交通インフラを考える地域公共交通会議で報告された。
乗合タクシーの実証実験は、昨年9月1日から11月30日まで実施された。当時は4社共同運行で宮古空港と市街地を結ぶ二つのルートを設定。車両はジャンボタクシーを使用した。
実証3カ月間の利用者は延べ1405人。1日当たりに換算すると15・8人が利用したことになる。
利用者に実施したアンケートで、乗車理由は「価格が魅力的だから」という回答が最多だった。満足度調査では「非常に満足」という答えが64%。「満足」と答えた人の数を含むと89%が高く評価し、期待の高さをうかがわせた。
こういった実績を踏まえて、4月1日から乗合タクシーを再開する。予想事業収支は厳しいが、ルートや運行方法の改善に伴う利用者の増加を見込み、まるちくタクシーとかりゆしタクシーが運行主体を担う。
運行は、宮古空港→ドン・キホーテ→県宮古合同庁舎→サンエーショッピングタウン宮古→市役所平良庁舎→公設市場→平良港→宮古病院→サンエーカママヒルズ店→マックスバリュ宮古南店→宮古空港の周回ルートとする。時計回りと反時計回りの二通りがある。
目標収益は1台当たり1日2万円。1万円を切るようであれば撤退も検討する。
市地域公共交通会議ではこれらの運行計画案を了承した。委員の一人は、乗合タクシーを運行するもともとの狙いを主張。クルーズ船の急増に伴ってタクシーが不足し、地元住民が利用しにくい環境にあることを指摘しながら「地元の足として利用していただくことが重要だ」と述べ、広報の強化に向けて協力を求めた。
議長を務める長濱政治副市長は「乗合タクシーの評価はおおむね良い。4月からの自主運行に向け協力体制を築きたい」と話した。
会議ではこのほか、クルーズ船寄港時における臨時バスの運行結果に関する報告もあり、参加委員が成果と課題を共有した。