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産業・経済
2018年4月14日(土)9:00

燃料電池自動車を導入/大和電工・宮古ビル管理

水素使用でCO2排出ゼロ/エネルギーを“地産地消”


引き渡し式でキーのレプリカを受け取る根路銘社長(左から2人目)と宮里社長(右)=13日、宮古空港

引き渡し式でキーのレプリカを受け取る根路銘社長(左から2人目)と宮里社長(右)=13日、宮古空港

 県内では唯一、宮古空港ターミナル(下地義治社長)が1台導入していた水素で走る燃料電池自動車を、大和電工(宮里敏彦社長)と宮古ビル管理(根路銘康文社長)も各1台導入することとなり、車両の引き渡し式が13日、宮古空港で行われた。二酸化炭素を排出しないだけでなく、宮古空港ターミナルが整備した宮古島の水を太陽光で発電した電気を使って水素にするスマート水素ステーションが水素を供給するため、自然エネルギーで生み出した水素を地産地消するエコな走行が可能となる。

 両社は宮古空港ターミナルが2017年7月に整備したスマート水素ステーションの活用と、エコアイランドを宣言する宮古島で再生エネルギーを使用したさまざまな取り組みを民間レベルで行うことを目的に燃料電池車の導入を決めた。

 今回、引き渡されたのは宮古空港ターミナルがステーション整備と同時に導入した車種と同じホンダの燃料電池自動車「クラリティ・フューエル・セル」。燃料電池に水素と酸素を取り込んで化学反応を起こして電気を発生させるため排出されるのは水のみで、二酸化炭素は排出されない。

 燃料電池の容量が大きく、台風災害などによる停電時や電源のない屋外でも電源として一般家庭の約7日分の電力を供給することができる。

 引き渡し式で宮里社長は、自然エネルギーから水素を作っているところは国内では宮古島を含め2カ所しかないことを紹介。「地産地消のエネルギーなので自然に優しい」と語るとと共に病院が停電した場合を想定した実験を行いたいとの思いを述べた。

 根路銘社長は「新しいエコの形の車として導入することで宮古島をPRできる」と導入の意義を語った上で、災害時の活用だけでなくイベント時の電源とするなどいろいろな場面での活用を検討していく考えを示した。

 引き渡しのセレモニーとして、本田技研工業日本本部法人営業部の笠原琢部長と沖縄ホンダの小林久夫社長から宮里社長と根路銘社長にキーのレプリカが手渡された。

 引き渡し式には下地社長、長濱政治副市長、県宮古事務所の稲福具実所長、エコアイランド宮古島EV協議会の平良恵一郎会長が来賓として参加した。


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