売却向け本格検討/サシバリンクス伊良部
背景に下地島の開発行為/民間の活力に期待か
宮古島市が下地島にあるゴルフ場「サシバリンクス伊良部」の売却に向けた議論を本格化させる。三菱地所が進める下地島空港旅客ターミナル建設や、県の周辺残地活用事業などと連動した開発行為に民間の活力を取り入れたい考えが背景にある。ただ、指定管理契約を結ぶ準備も同時並行で進めているため、売却の時期をめぐっては慎重な協議が求められる。10月にも検討委員会を開く。
サシバリンクス伊良部は旧伊良部町が2002年に公営のゴルフ場として開設させた。05年の市町村合併後は市に引き継がれ、今は指定管理者制度を導入して管理・運営している。
売却の論議は過去の市議会でも度々取り上げられてきたものの具体的な進展はなかった。だが、先の市議会定例会一般質問で長濱政治副市長が踏み込んだ。
平良敏夫氏が「開発に制限がある指定管理者制度では大きく改修することができない」と民間開発を求めたところ、「売却等検討委員会を開催して、売却等も含めて今後のあり方を審議したい」と答弁した。
その理由として「2019年3月に下地島空港国際線等旅客ターミナルの開港が見込まれているほか、県が下地島空港及び周辺用地の利活用の取り組みを進めている」などと述べ、空前の勢いで開発行為が進む伊良部地域の環境を挙げて売却の必要性に言及した。
検討委員会は10月にも開かれ、本格的な検討が始まる見通しだ。ただ、市は売却の方針がある一方で指定管理者を公募しており、近く指定管理候補者の選定に入る。契約の期間は年までの3年間であるため、売却の時期をめぐっては慎重な議論が求められる。
市によると、サシバリンクス伊良部の利用者は増加を続けている。13~14年度は5000~6000人で推移していたが、伊良部大橋開通後の年度は1万2000人に増えた。17年度は1万3000人が利用しているという。
ただ、一部の利用者から芝の管理などゴルフ場の質の向上を求める声があるという。一方、民間への売却で安価な利用料金が保てなくなるのではないかという不安の声もある。利用者が増えているだけに、売却の議論は注目を集めそうだ。