西里さん総理大臣賞/第54回たぶろう展
悲恋の美女マムヤ描く/「宮古島を印象付けた」
市城辺在住の画家・西里恵子さんが第54回全国公募たぶろう展(たぶろう美術協会主催)で最高賞となる内閣総理大臣賞を受賞した。宮古島市では初の受賞で、作品のタイトルは「オーロラとマムヤ」。油絵で城辺保良に伝わる悲恋の美女「マムヤ」をテーマに描いた。西里さんは「生涯追い求めているテーマが審査員の目に留まった。宮古島を印象付けられたと思う」と話した。1日に受賞報告を受けた下地敏彦市長は「印象的な色使いで心に残る」と祝福した。
全国から寄せられた約180点の中から選ばれた作品はF100号(約165㌢×130㌢)の大作。
マムヤの墓がある東平安名崎に何回も足を運び構想を膨らませ、約2週間で完成させたという。
保良漁港に実際にある大岩が海に沈み、その中央で天空のオーロラの光を糸に転ずるマムヤを神秘的に描いた。
西里さんは「私にとってマムヤは悲恋の主人公ではなく、織物のアーティストというイメージ。昔の人たちが何をもって民話にして伝えようとしたのかも興味がある」と話した。
作品は6月12~24日まで東京の国立新美術館で展示された。授賞式は15日に同美術館で行われた。
展示会会場から作品がまだ届いていないが、14日に開かれる受賞祝賀会(実行委主催)でお披露目される予定。
西里さんが主宰する絵画教室に通う伊良部映里さんは「クサカベえのぐ賞」を受賞した。
下地市長への報告は西里さん、伊良部さんほか、たぶろう展受賞祝賀会実行委員会代表の宮城敏郎さんが同席した。