離島振興を積極支援/参院選沖縄選挙区
県をアジアの玄関口に/高良氏 初当選から一夜明け
【那覇支社】第25回参院選沖縄選挙区で初当選した高良鉄美氏は22日、宮古毎日新聞社など宮古・八重山報道各社の取材に応じた。全県選挙としては補選を除き過去最低の49%という投票率で29万8831票を得票した高良氏は「オール沖縄が死守してきたこれまでの大きな選挙に続き、勝利することができ、正直ほっとしているというのが率直な感想だ」と述べた。
「辺野古移設」「消費税の引き上げ」「憲法改正」に反対する姿勢を明確にして選挙に臨んだ高良氏は、その理由について、「『県民の暮らし』と『民主主義』を最優先する観点からだった」と説明した。また、「糸数慶子氏が守ってきた『平和の1議席』を守ることができて安堵している」とも語った。
宮古・八重山の振興策については、「離島への交通アクセスをさらに高めていくことが最重要だと考えている。幼いときに石垣市で育ったが、物価が高く、台風発生時にモノ(商品)が無くなる状況は、今でも変わっていない。その解決は、制度改革を進めることにある」と説明し、「観光振興でも積極支援すべきだ」と述べた。
参院での在任期間中に策定される「次期沖縄振興計画」のあり方については「県の計画と連携するのが重要なことで、『沖縄21世紀ビジョン』『アジア経済戦略構想』で描いているようにアジアに開かれた玄関口として沖縄を活用することに重きを置いて、離島振興も含め、県民の所得や雇用に還元される制度にすることが何よりも大事だ」と述べた。
宮古・八重山の陸自配備を反対する理由については「急患搬送や不発弾処理、災害発生時の救援活動などは認めるところだが、弾薬庫の問題など、住民への説明がなく頭越しに計画されていることについては、やはり、離島に育った者の一人として反対の立場だ。島の基地建設は自然破壊、文化の破壊にもつながる」との認識を示した。
尖閣諸島での問題については「対話による外交努力が何よりも重要」と述べて、日本と台湾の漁業協定も改めていく必要があることを訴えた。
選挙で大きな争点となった米軍普天間飛行場の辺野古移設については「法的手続き上の問題があることも含め、莫大な予算が投じられ、これに国民の血税を使ってもよいのかという質疑を国会で行う。この問題は沖縄だけの問題ではなく、日本の民主主義の根幹に関わる問題ということを今度は立法府で訴える」と力を込めた。