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社会・全般
2019年11月30日(土)8:54

【行雲流水】(「人はボケる」)

 「ボケ」という言葉は医療現場や福祉の現場では使われることはないとのことだ。認知症の人を侮蔑することになるからだという。しかし普段の生活ではごく自然にボケという言葉が出てくるのは誰かを侮蔑することではなく「年をとったなぁ」といった意味合いで使われるのではないか

▼体力の衰えや親しくしていた人の名前がすぐには出てこなかったりして自らの老いを納得し始めた人にとってボケという言葉は侮蔑でもなければ軽蔑でもない、年寄りの自然な成り行きとしての状態をさす言葉だと受け止められていたと思う

▼ところが認知症という医学用語が使われるようになってボケという言葉は疎まれる病気といったイメージが出来上がってしまったのではないか。「ボケて長生きしたくない」といった言葉が高齢者の口をついてでるようになったのも重症化した認知症の悲惨な状態を思い描く結果だろう

▼日常生活においては全く支障のない高齢者特有のボケ状態を医学的な検査をすることで認知症だと言われる。思うに、病気の性質、病状を表現する「症」を使うことで日々の暮らしに支障のないボケも病気だといわれるようになった

▼これでは「ボケるわけにはいかない」と考えるのも当然だ。ところがそう力んだところで遅かれ早かれいずれボケる。老年精神科医、和田秀樹氏の著書「自分が高齢になるということ」によると誰でも認知症になるし、なってしまうと治す手だてはないという

▼ボケと言われている状態は強いて言えば症状としては軽い認知症だ。重症化しないためにはどうすればよいか。和田氏や前回の大井氏の著書に答えがあった。(凡)


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