03/18
2025
Tue
旧暦:2月19日 友引 丙 
社会・全般
2021年3月11日(木)9:00

被災者の心のケアに取り組む/東日本大震災10年

座談会で当時振り返る


被災地で支援活動を展開した市の保健師らが当時を振り返った座談会=4日、市役所

被災地で支援活動を展開した市の保健師らが当時を振り返った座談会=4日、市役所

 甚大な被害をもたらした東日本大震災からきょう11日で10年目を迎えた。月日は流れたが、当時の被災地の光景は今も多くの人の目に焼き付いている。震災当時、宮古島市からは岩手県大船渡市に6人の保健師が派遣され、仮設住宅などで厳しい避難生活を強いられていた被災者たちの心身両面のケアに取り組んだ。その経験は市の防災面や災害対策にもしっかりと反映されている。【7面に派遣保健師らの座談会】

派遣保健師が体験語る/想像はるかに超えた被害

 被災地に派遣された保健師のうち、下地正通さん、長崎利枝さん、平良礼子さんと、その時の健康増進課長の豊見山京子さんに本紙が話を聞いた。

 派遣された保健師に被災地の印象を聞くと、テレビや新聞などで報道される光景と、実際に見るとでは大きく違い、はるかに想像を超えていたことなどが感想として聞かれた。

 さらに、報道では伝わらない現地に立ちこめていた独特の臭いや実際に支援していく中で感じた都市部と地方とで避難所の様子が大きく異なっていたことなど、保健師たちは今でも当時の状況や風景を克明に覚えていた。

 津波から逃れるために一緒に家の屋上に避難したが、妻を波に流されて失い失意の中で言葉を発することもできずに避難所で過ごしていた男性とのやりとりなど、保健師たちは被災地でのいろいろな支援を通して経験を積んだ。

 保健師たちが被災地で過ごした日々と経験は、市にとって貴重な財産となり、この10年間の中で、市の防災体制や災害対応にも反映されている。

 特に、1月に開庁した市の新庁舎では、福祉関係の部局をすべて1階フロアに集約。さらに、隣接する保健センターを土足禁止にしたことも、東日本大震災支援で得た経験が大きく反映されているという。

 新型コロナウイルスという世界的な災いの中で迎えた10年の節目。苦しいときこそ、過去の経験を踏まえて乗り切ることが行政にも市民にも求められている。

  ………………… 

 東日本大震災から10年。宮古毎日新聞では、被災した人や被災地支援に携わった人たちの思いなどをインタビューした。シリーズで紹介する。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年3月14日(金)9:00
9:00

観光シーズン到来へ

観光協、来月6日海びらき   宮古島観光協会(吉井良介会長)は13日、同協会で記者会見し、今年の海びらきを4月6日に下地与那覇の前浜ビーチで開催すると発表した。「第47回サンゴの楽園未来まで 集まれ遊ぼう宮古島の海びらき」を皮切りに宮古島では本格的な…

2025年3月13日(木)9:00
9:00

各専門部が進捗状況報告

第39回トライ専門委全体会議   第39回全日本トライアスロン宮古島大会の第3回専門委員会全体会議が12日、市役所で開かれた。各専門部の部長らが集まり、事務局から取り組み経過や地震・津波発生など緊急時の対応などの説明を受けた。大会副実行委員長の久貝順…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!