平均稼働率27%に低迷/市内ホテル20年度
前年度比30ポイントの大幅減/コロナ影響
市内主要ホテルの2020年度年間平均稼働率は27・18%となり、前年度を30・21ポイント下回る大幅減となったことがこのほど分かった。新型コロナウイルスの感染者増加を受けての緊急事態宣言の発出や、それに伴う市による来島自粛要請、市内でのクラスター(感染者集団)発生などが主な要因と考えられる。
ホテルの稼働率は宮古島観光協会が、リゾートホテルや市街地のホテルなど市内の主なホテル15施設を毎月調査している。
20年度の平均稼働率を月別に見ると、国、県による緊急事態宣言が発出され、市も不要不急の来島自粛を要請した4月は10・36%で前年度を53・19ポイント下回った。来島自粛要請が継続された5月は、1カ月間休業したホテルが複数あったことも影響し、前年度比55・72ポイント減の3・71%と1桁台に低迷。6月も同46・09ポイント減の15・98%にとどまった。
政府による観光需要喚起策「GoToトラベル」事業が始まった7月からは稼働率が30%前後までに回復。さらに「GoTo」対象に東京が追加された10月は54・62%に上昇。11月は57・25%となり、わずかながら初めて前年度実績を上回った。12月も前年度並みの42・92%だった。
しかし、県内コロナ患者が再び増加し、県が3回目となる独自の緊急事態宣言を発出した1月は前年度比30・30ポイント減の13・66%まで低下。2月は、5月以来の1桁台となる7・18%にまで落ち込んだ。
1月下旬には宮古島市内の高齢者福祉施設でクラスターが発生。感染者が急激に増加したことが全国ニュースなどで報じられことも影響したと考えられる。
県の緊急事態宣言が解除された3月は20・23%にまで回復した。
21年度はさらなる回復が期待されるが、感染者数が再び増加傾向となった県が「まん延防止等重点措置」の適用対象となるなど不安要素も。市内のあるリゾートホテルでは、4月中旬時点ではゴールデンウイーク(GW)の予約状況は80%台だったが、「まん延防止」適用を受けてキャンセルが相次ぎ、65%前後にまで落ち込んだという。担当者は「今後よほどのことがない限り、さらに急激に落ち込むことはないと思うが、コロナが落ち着かない限り(回復への)動きは出てこないと思う」と語った。
一方、平良市街地のあるホテルでは、GW期間中、8~9割が予約で埋まっていて、「ほぼ満室の例年には及ばないが、予約のキャンセルはほとんどない」というなど、ホテルにより影響に差が見られている。