コロナ出口見えず/事業者、諦めムード
「観光業」厳しい夏に/緊急事態宣言延長
新型コロナウイルス陽性者の新規確認が収まらない状況で県に出されている緊急事態宣言が、8月末までに期間延長された。なかなか出口が見えない状況に市内の事業者からは「厳しい」」と悲鳴のような声が聞こえ、諦めムードさえ漂っている。中には状況に耐えられず、営業に踏み切る飲食店も出てきているという。観光のハイシーズンだが今年も厳しい夏になりそうだ。
今回の延長決定に、宮古島観光協会会長で宮古島東急ホテル&リゾーツ総支配人の吉井良介さんは「8月22日まででも長過ぎると思っていたが、さらに延長されることに危機感を持っている」という。
ホテルでは7、8月の2カ月間で1年の半分近い利益を上げているといい「その期間すべてが緊急事態となるのは本当に厳しい。ホテルだけでなく飲食店などもこのままでは厳しいと思う。もう耐えられないので自粛要請に応じず店を開けるという飲食店も出てきている」と話した。
全県一律ではなく、ワクチン接種率の高さなどにより、地域ごとに制限を緩和するなどの対応をしてもらいたいと要望する。吉井さんは「感染防止対策として、宣言の延長は致し方ないということは重々承知しているが、柔軟性をもった対応を何とかお願いしたい」と訴えた。
平良下里の居酒屋店主は「今回の宣言期間中は全く営業していない。昼のテークアウトもやっていない。限界のような状態が続いている。家賃や従業員の賃金支払いが大きな悩み。気持ちをどこにぶつけていいのか分からない」と話した。時短営業については「酒も出せないので売り上げにつながらない」と迷っている。
市民も疲れ気味だ。50代男性は「コロナが収まらないのは、飲食店や観光客だけのせいだとは言えない。宮古の人もコロナに慣れてきて自覚が薄れているように感じる。飲食店も長期化する時短営業で限界にきて、開け始めた店もあると聞いている。県内の感染者数を見るとうんざりする」と話した。30代女性は「緊急事態宣言延長の決定は早過ぎる気がする。飲食店もさらなる延長で大変だと思う。我慢している店がほとんどだが、無視して開け続けている店に客が集まっている状況は不公平に感じる」と話した。