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社会・全般
2011年9月23日(金)9:00

犬の咬傷事故が増加/10年度度宮古福祉保健所まとめ

31件、違法犬捕獲は216匹


 2010年度に宮古島市内で捕獲された違法犬は216匹で、前年度に比べ70匹減少したものの、飼い犬や野犬にかまれけがをした件数は31件となり、過去5年間では2番目に多かったことが宮古福祉保健所のまとめで分かった。家畜の被害や放し飼いへの苦情も増えており、飼い主のマナーとルールが指摘されている。26日までは「動物愛護週間」。


放し飼い 依然多く


捕獲された犬。担当者によると人間を見て寄ってくるのは以前飼われていた犬という。捕獲されている9匹のうち2匹がカメラを向けると寄ってきた=22日、宮古福祉保健所内にある犬舎

捕獲された犬。担当者によると人間を見て寄ってくるのは以前飼われていた犬という。捕獲されている9匹のうち2匹がカメラを向けると寄ってきた=22日、宮古福祉保健所内にある犬舎

 捕獲された違法犬216匹のうち、飼い主に返還されたのが42匹、別の飼い主に引き取られたのが7匹、けがや病気などで死んだのが6匹で、残りの150匹余りは県動物愛護管理センター(南城市)へ移送され殺処分などにされた。

 保健所では捕獲した犬は5日間(休日、祝日除く)は同所で保護し飼い主や「里親」が現れるのを待つが、ほとんどが飼育放棄された犬のため、引き取られていくのは全体の2割程度という。

 宮古島市における犬の登録件数(10年度)は1663件で年々増えている。一方で、飼い主に毎年一回義務づけられている狂犬病の予防注射は、同年度の実績で1195件となり、義務を果たしていない飼い主が多いことも浮き彫りとなった。

 犬にかまれけがをした人も年々増加している。同所では「咬傷事故はほとんどが飼い犬によるもので、野犬はむしろ少ない」と指摘。飼い犬に手を出してかまれたり、配達や訪問の際に襲われるケースが多いことから同所では「しつけや飼い方など、飼い主側の意識の向上で咬傷事故を減らすことはできる」と話している。

 放し飼いや野犬によるふんの苦情やごみ荒らし、鳴き声がうるさいなどの苦情も多く寄せられている。通学路を集団ではいかいする野犬も見られ、保護者などから捕獲を求める声もある。ヤギや子牛、ニワトリなどの家畜被害も10年度だけで19件発生している。

 同所では依然として放し飼いが多い現状を指摘。野犬化につながる恐れや、避妊・去勢していない犬、猫が、新しい野良犬、野良猫を増やす傾向にあることから、繁殖を望まない飼い主には避妊・去勢手術の徹底を呼び掛けている。

 犬、猫の避妊・去勢手術は、体型や種類によって違うが一般的には雌犬が2万5000円~3万円程度。雌猫が1万5000円程度という。 

 市や県獣医師会では、動物愛護思想の普及啓発事業の一環として避妊・去勢手術の費用の一部を助成している。

 しかし、市内動物病院では「犬の登録件数は増えているが、手術件数については増えているとは思えない」と話し、飼い主の適正管理が課題だとしている。


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