イモを主要作物に/宮古島市
生産計画発表 今年度108トンの収量目指す
下地敏彦市長らは16日、市長室で会見を開き、宮古の伝統作物である甘藷(サツマイモ)を再び主要作物に育てる生産計画「宮古島産かんしょ6次産業化」の基本方針を発表した。計画初年度となる今年度は栽培面積6㌶で収量108㌧、1620万円の生産額を目指し、10年後の2021年度には95㌶、2520㌧、3億7800万円にまで拡大させたい考え。
宮古島には1597年に砂川親雲上旨屋が中国から持ち帰ったとの説がある甘藷。市では「宮古島産かんしょ」を第1次市総合計画後期計画で、第1次産業に第2、第3次産業を取り込んだ「6次産業化」の戦略品目と位置付け、安定生産供給体制の確立や他産業との連携などを図り、「宮古島ブランド」として確立させ、農業振興と経済発展につなげることを目指している。
生産計画では、11年度に面積6㌶、収量108㌧、生産額1620万円、5年後の16年度には42㌶で756㌧、1億1340万円の生産、10年後の21年度では95㌶で2520㌧、生産額3億7800万円を目標としている。
販売形態としては▽青果用▽加工用▽葉野菜用▽体験用▽飼料用-の5種類を想定。特に、土産用菓子製造で使われるペーストなどの加工品を生産することで、地元原料を使った土産品が開発されることに期待を寄せている。下地市長は「ペーストは今、本島業者から購入しているが、それが島内で生産できれば、宮古島産原料を使った土産用菓子の可能性が広がる」と語った。
栽培面積の確保方法については下地島残地や耕作放棄地の活用、葉タバコからの転換などを挙げる下地市長。「主幹作物であるサトウキビからの転換を想定するものではない」との考えを示した。