漁業再生で意見交換
3漁協の統合不可欠/下地市長
魚価の上昇対策要望/若い漁業者
若い漁業者と下地敏彦市長の意見交換会(主催・市農林水産部水産課)が29日、宮古島市漁協であった。下地市長は漁業再生に向けては、漁協の財政や組織力の強化が必要と指摘。そのためには3漁協(平良、伊良部、池間)の統合が不可欠との考えを示した。
若い漁業者は、9人(伊良部5人、平良3人、池間1人)出席した。
司会は、愛媛大学の若林良和教授が務め、「もうかる漁業」をどうつくっていくかについて意見を聞いた。
若い漁業者らは、漁業衰退の背景には、魚価の低迷があると指摘。高く売るために本土まで水産物が行く流通整備や販路拡大、ブランド化などを求めた。
下地市長は、伊良部漁協の場合、仲買人制度も魚価抑制の一つの要因になっていると指摘。流通改革に関しては漁業者自らの真剣な議論が必要との考えを示した。
「学校給食における地元産魚の食材は0%」との声に、若林教授は「0%は聞いたことがない」と驚きの様子。地産地消の拡大のためにも、地場産の水産物を使う給食システムを考える必要があると助言した。
所得向上には単に取るだけでなく、加工や販売までを手掛ける地域一体の6次産業化(1次産業×2次産業×3次産業)も有効とした。
漁業者らは農業同様の手厚い補助や、釣り針にかかった魚がサメに食べられている被害対策なども要望した。
下地市長は最後に、出された意見について「魚価をどうするか。どうやって売るかの問題」と集約。同問題は、突き詰めれば漁協の力不足に行き着くとし、漁協の統合なしには前進しないとの考えを再三強調した。漁協の赤字が、補助制度活用のネックになっていることも指摘した。
若い漁業者との意見交換会は、初めての開催。漁業者の意見を、現在策定中の宮古島水産振興計画に反映させるために開いた。