管路図面の重要性理解/サモア水道事業運営支援協力
現地職員基本技術を習得/市が専門家派遣の成果報告
2011年度「サモア水道事業運営(宮古島モデル)支援協力」の第1回専門家派遣報告会が7日、市役所平良庁舎で開かれた。今回の派遣では、配水管の埋められた位置などを示す管路図面作成のための基本技術を市上下水道部の職員らが現地の職員に指導。派遣団総括として参加した同部の梶原健次課長補佐は「管路図の重要性について一定の理解が得られた」と活動で得られた成果を説明した。
同支援協力は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の事業として採択されたもので、宮古島の緩速ろ過による浄水方法や漏水対策、水資源の保全管理法などをサモア水道公社の職員らに指導する。実施期間は3年間で今年度は2年目となる。
11年度第1回の専門家派遣は日本時間の11月5日から28日までで、梶原課長補佐ら市上下水道部の職員4人、名護市企画部企画調整課の金城進課長、民間技師の計6人を派遣。サモアの首都アピアの東部に位置するトマタギ地区で配水の本管と支管の2500分の1の管路図面作成指導として、ワークショップや約23キロに及ぶ現場踏査を行ったほか、10年度に指導を行った浄水場の運用改善状況の確認などを行った。
梶原課長補佐はサモアの現状について「水道管はあるが、古いものはどこにどんなタイプのものが埋まっているのか分からない状態」と説明した上で、現地では管路図面の作成に必要となる管路やバルブの探査など具体的な作業手順を指導したことを報告。活動成果として「管路図の重要性について、水道公社の管理職から一定の理解が得られ、担当職員はその重要性と必要性を理解し、基本技術を習得した」ことを挙げた。
第2回専門家派遣は12年2月上旬から2週間程度を予定。同事業終了後、第2期プロジェクトとして13年度からさらに3年間、支援事業を継続する可能性について今回、サモア水道公社側と意見交換も行われた。
県経営者協会と宮古島市、JICAによる「水ビジネス検討会」のメンバーが11月3日から13日にフィジー、トンガ、サモアの3カ国で実施した調査に参加した市上下水道部会計課の上地昭人課長も調査内容などを報告。これまでのノウハウを生かし、官民が連携して取り組む方向で、具体的な検討を進めていく方針などを説明した。
下地敏彦市長は「サモアの社会に貢献するビジネスができれば面白い形に発展していくものと大いに期待している。専門家派遣もできるだけ早く実施したい」との考えを示した。