クルマエビを初出荷/宮古島漁協
本土市場へ170㌔/今期24㌧余 売上1億円超見込む
東京都、大阪府、愛知県、高知県の公設市場への上場に向け、宮古島漁協(粟國雅博組合長)は29日、自営の高野車海老養殖場で生産されたクルマエビ170㌔を初出荷した。きょう30日早朝に開かれる競り市に上場される。
2013年期クルマエビ総生産量は24㌧以上、総売上高約1億1000万円を見込んでいる。
クルマエビ養殖事業は1995年にスタートし、今年で19年。順調な生産が推移し、2002年期は34㌧の好実績を達成した。
初出荷したクルマエビは体長約15㌢。来年6月中旬ごろまでの育成期には最大体長約20㌢に成長する。この日、化粧箱に入れられたクルマエビは木くずで覆われ、12度保冷の仮眠状態で出荷。参加者らは、万歳三唱を行い、安全輸送と高値取引に期待を込めた。
初出荷セレモニーで、粟國組合長は「2012年期は24㌧、総売上高9000万円余の実績があった。生産技術もアップし、東京都の築地市場では高品質で高い評価を得ている。お歳暮や正月のおせち料理にお願いしたい」と述べた。
下地敏彦市長(代読)は「クルマエビは、市の水産物における重要な品目であり、安全・安心で新鮮な供給に期待する」と強調し、同事業の発展を祈念した。
試食会で、宮古農林水産振興センターの前田幹男所長は「最近は全国で食品偽装の問題が明るみになり、外国産エビをクルマエビと偽る事例も発覚した。こうした中、宮古島漁協のクルマエビは人気上昇で、揺らぎない信頼がある」と語った。
クルマエビの料理を試食する参加者らは「身が締まり、甘みがあり、食感が良い」と満足の笑みを見せていた。