小作解消で相談会開催へ/市農業委
関東、関西で地主271人/農地の有効活用図る
市農業委員会は関東・関西地区に在住し宮古島市に畑を持つ地主を対象にした農地制度などに関する相談会を11、12の両日、東京と大阪で開催する。対象地主は271人で、同委員会では畑地転売の利点などを説明し、小作(黙認耕作)の解消で地元担い手農業者への利用集積につなげたい考え。6日に行われた市議会経済工務委員会(西里芳明委員長)で、農業委員会が概要や派遣される農業委員らの旅費などについて説明した。
不在地主の所有農地のほとんどは地縁血縁者が耕作しており、農地法または農業経営基盤強化促進法の許可を得ないまま、小作で賃貸されているのが実情だ。
このため、農業委では農地基本台帳を基に、島外在住(市の不在地主)農地所有者へ農地制度に対する相談会及び説明会を毎年開催し、農地の有効活用を図っている。
今回の対象者は関東地区が208人で、内訳は▽東京都87人▽神奈川県71人▽埼玉県25人▽千葉県22人▽茨城県3人-。
関西地区は▽兵庫県30人▽大阪府28人▽京都府3人▽奈良県2人-の計63人となっている。
ただ、実際に出席するのは40人程度で、農業委では「出席できない対象者には説明書などを送付し理解を得たい」と話している。
相談会では①農地に関する法律関係②農地の売買・賃貸③遊休農地の解消方法④農地の相続-などを説明する。
各地の農業委員10人ほか市農業委職員4人が参加し説明に当たるほか、県農業振興公社や全国農業会議所も協力するという。
担当者は「農地の譲渡所得で上限800万円の特別控除や所有権移転登記に係る登録免許税の軽減など税制面での特例などを説明し、黙認耕作の解消を図りたい」と話している。
同相談会は国の補助を受け市町村合併前は平良、城辺、下地の3市町がそれぞれ実施していたが、対象者は沖縄本島在住に限られていた。合併後は、首都圏や関西圏まで広げている。
農業委による、これまで相談会を通して小作を解消した件数はまとまっていないものの「着実に効果は出ている」と話している。