販売30億円突破を祝う/宮古地区肉用牛競り
「母牛増頭」へ一致団結/生産者が新たな決意
JAおきなわは20日、宮古地区(宮古、多良間)家畜市場における2013年の販売高30億円達成を記念する式典と祝賀会を宮古家畜市場で開いた。生産者ら約300人が集い、販売高30億円突破を盛大に祝うとともに、次の目標として掲げた「母牛の増頭」に向けて決意を新たにした。
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターのまとめによると、13年の販売高は30億7500万円。市場別の売り上げは宮古が25億3900万円、多良間が5億3600万円だった。
市場別の子牛1頭平均価格は、宮古が46万4430円、多良間が42万1339円、平均キロ単価は宮古1826円、多良間が1823円と高値だった。
式典の主催者あいさつでJAおきなわの砂川博紀代表理事理事長は、「このほど悲願の30億円を達成することができた。これもひとえに畜産農家、購買者、関係機関が一体となった尽力のたまもの」と生産者ら関係者に感謝を込めた。その上で「(今後も)関係機関と協調し、組合員の所得向上に取り組む」と述べた。
地区農業振興会の下地敏彦会長(市長)と県宮古農林水産振興センターの前田幹男所長は祝辞の中で30億円達成を祝い、一層の畜産振興に期待を込めた。
宮古和牛改良組合青年部の島尻誠部長は増頭に向けて決意を表明。「農家の高齢化が進むにつれて戸数と頭数が減少する傾向が見られる」と指摘し「子牛の安定的生産を継続するために私たちがやるべきことは母牛の増頭だ」と強調した。
最後は参加者全員でガンバロー三唱を行い、さらなる畜産振興を誓った。
式典後の祝賀会では祝杯を上げ、年間30億円突破の喜びを共有した。
宮古家畜市場は1991年に開設。素牛(子牛)産地を内外にアピールし、計画交配を徹底させながら市場価値を高めてきた。
2003年には販売額20億円を達成。その後は30億円を目標に掲げて生産者や県、市、JAなど関係団体が一丸となって素牛の産地化促進を図った。
13年は、市場に対する購買者の高評価と素牛不足の影響で子牛価格が高値で推移した。10年に宮崎県で発生した口蹄疫と、11年の福島第1原発事故の影響で全国的に素牛が不足し、市場の価格を押し上げた。