漁船の燃料盗難相次ぐ/久松、狩俣漁港
宮古島署が捜査、漁師ら怒り
市内の久松漁港と狩俣漁港で、陸揚げ中の船外機漁船から燃料タンクごとガソリンが盗まれる被害が相次いでいることが18日、分かった。被害に遭った漁師らは休漁に追い込まれて死活問題となっている。宮古島署は、窃盗事件とみて捜査を進めている。
久松漁港では先週、1隻が2回被害を受けた。2回とも船尾の収納庫にガソリンの入った燃料タンク(約20㍑入り)を保管し、ふたは鎖付き鍵で厳重に管理していた。
しかし、何者かによって鎖は切られ、燃料タンクは無くなっていた。同タンク2個とガソリンを含めた被害額は時価約6万4000円相当。
一方、狩俣漁港では2隻が窃盗の被害に遭った。燃料タンクは久松漁港で盗難に遭った燃料タンクより大きい約25㍑入り。同タンクとガソリンを合わせた被害額は時価約8万円相当とされる。
2漁港の窃盗事件とも夜間から夜明けにかけての犯行と推定されている。漁師らは、過去にも同様な事件が発生していることから、船外機漁船でガソリンの入った燃料タンクを保管する方法を知っている実行犯と分析している。
久松漁港で被害に遭った漁師の男性(56)は「燃料タンクは特殊なもので宮古には販売していない。船具などを販売する代理店を通して本土に注文しなければならない。一週間以上は出漁できない。盗んだ犯人は絶対許さない」と怒りを露わにした。
狩俣漁港では、漁師らが次々と集まり、宮古島署員の現場検証を見守っていた。今後の漁港パトロールについて検討していた。
被害者の男性(40代)は「ひどいことをする犯行だ。犯人が憎い」と声を荒げていた。