ユークイで歓喜一色/伊良部国仲集落
五穀豊穣に感謝、踊り奉納
伊良部の国仲自治会(宮国浩行会長)主催の伝統の豊年祭「ユークイ(世乞い)」(主催・国仲自治会)が4日、国仲御嶽で行われた。子供から大人までが参加。神女役のツカサンマ(司母)やユークインマ(世乞い母)らが琉球民謡・三線・太鼓に合わせ、両手に持つ四つ竹を打ち鳴らしながら歓喜の踊りを奉納した。
ユークイの「ユー」は豊かな世、富の世、富貴の世などの総称。参加者らは、旧年中の五穀豊穣(ほうじょう)に感謝し、来期の「ユー」を予祝(よしゅく)した。予祝は、前祝いの意味で、農耕儀式の一種。
ツカサンマは、国仲集落から選出された神女役の代表。ユークインマは、数え50~60歳までの女性たち。神殿で神歌・踊りを奉納した後、最高位のツカサンマが神前で「かぎやで風」を披露した。
次いでツカサンマとユークインマが円陣で舞踊を演じると、一般の女性たちが次々と加わり華やかな集団円舞を繰り広げた。カチャーシーも踊り、互いに喜びを分かち合った。
男性らは円座をつくり、刺し身や揚げ魚などのごちそうに舌鼓を打ち、祝い酒を酌み交わしながら交流を深めた。男性の躍動感あふれる踊りに、参加者らは大きな拍手を送っていた。
来賓で参加した下地敏彦市長は「沢山の住民が集まり、すごい団結力である。今年は天候に恵まれていることから、今期のサトウキビの収穫が楽しみ。来年も楽な生活でユークイをお祝いしましょう」と激励した。
主催者を代表して宮国会長は「旧年中は実り多い五穀豊穣に恵まれ、国仲集落は発展を続けている。また来期の五穀豊穣を願い、楽しいひとときを過ごしましょう」と祝辞を述べた。
伊良部南区にある国仲集落は、全人口約300人、全世帯125戸。