多良間は承認至らず/世界農業遺産候補
専門家会議が3地域選定
国内から国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産認定を目指す候補地域を評価する第3回世界農業遺産専門家会議が20日、農林水産省で開かれた。多良間村、伊平屋村、伊是名村の合同申請を含む7件の申請候補地の二次評価を行った結果、岐阜、和歌山、宮崎の3地域を承認地域とすることを決定。多良間村の承認には至らなかった。
多良間村は伊平屋、伊是名の離島3村共同で、島に昔から受け継がれてきた「抱護の林帯に守られた沖縄の伝統的小規模農業システム」の世界農業遺産認定を目指し、農水省へ7月30日に申請を提出。同専門家会議による一次評価が9月8日、多良間村での現地調査が9月30日と10月1日に実施され、その結果を踏まえた二次評価が20日、第3回専門家会議で行われた。
今回、国内から認定申請を行ったのは、和歌山県みなべ・田辺地域▽宮崎県高千穂郷・椎葉山地域▽徳島県剣山地域▽宮城県大崎地域▽岐阜県長良川上中流域地域▽埼玉県三富新田地域▽沖縄県伊平屋村・伊是名村・多良間村地域-の7地域だった。
第3回専門家会議での二次評価の結果、候補地域に承認された岐阜、和歌山、宮崎の3地域が今後、FAOへ申請を実施し、認定に向けた審査を受ける。
世界農業遺産とは、地域環境を生かした伝統的農法や、生物多様性が守られた土地利用のシステムを世界に残す目的で2002年に創設。日本では現在、「トキと共生する佐渡の里山」や「阿蘇の草原の持続的農業」など5地域が認定されている。