沖縄観光とニセコテーマに講演/観光協青年部30周年記念シンポ
専門家が動向など解説
宮古島観光協会青年部(奥平幸司部長)の30周年記念シンポジウムが9日、市平良下里のホテルで開かれた。日本交通公社の山田雄一主席研究員が沖縄観光の動向について、元ニセコプロモーションボードの國枝弘二氏は北海道のニセコリゾートをテーマに講演を行った。
山田氏は、沖縄の宿泊観光市場は1997年頃から拡大を続けているものの、国内観光シェアで見ると3%程度に過ぎないことを紹介した上で、「観光資源を見れば倍増してもおかしくない。それだけのポテンシャルがある」と語った。
県が目指す入域観光客数を2021年度に現状の1・5倍となる1000万人とする目標について「荒唐無稽の話ではなく、十分狙える水準」との認識を示すとともに離島の活用の重要性を指摘。混雑している那覇空港を経由するのではなく、宮古島や石垣島、久米島への本土からの直行便を就航させることがその一助になるとの考えを示した。
國枝氏は、スキーリゾートが有名なニセコには外国人観光客が多く、オーストラリアやアジアからの来訪数が増加傾向にあることを説明。その理由として、雪質の良さをはじめニセコへ参入したオーストラリア実業家による口コミ宣伝、オーストラリア・アジア経済の好景気と円安傾向による割安感などを挙げた。
アメリカでの同時多発テロやリーマンショック、東日本大震災などの影響で一時は減少した外国人観光客数も、最近は回復傾向にあるという國枝氏。「ニセコの安全性を発信することで回復してきた」とその理由を説明。外国人観光客を受け入れる上での課題としては、海外へのプロモーションや地元受け入れ態勢の整備などを挙げた。
両氏の講演後、國枝氏と県文化観光スポーツ部観光政策課観光文化企画班の玉元宏一朗氏、奥平部長がパネリストを務めてのパネルディスカッション「沖縄県入域観光客数一千万人に向けて沖縄各地域のブランディングについて考える」が行われ、3氏がそれぞれの立場から考えを語った。