専門学校、大学の誘致を/観光協が市に要望
宮古振興で意見交換/市と経済団体
観光協会の豊見山健児会長は、宮古では高校を卒業するとほとんどの生徒が進学や就職で島を離れるため、保護者の経済的負担が大きいと指摘。「圏域の人口流出を防ぎ、地元で専門的な知識を学び、地元で就職できるシステムが構築できれば地域活性化につながる」と提案した。
豊見山会長はまた「専門学校や大学の誘致に時間がかかるなら、既存の高校に観光科を設置し、観光全般についての人材育成を図ってほしい」と要望した。
これに対し、市企画政策部の古堅宗和部長は「若者定住や人口増加による活性化の面から重要な課題」とした上で「観光関係の専門学校の誘致の可能性、また宮古に専門学校が開設された場合、どれだけの学生が進学を希望するのかを調査してみたい」と回答した。
宮古地区の高校に観光科を設置することについては「地元の高校と協議し、意見を集約して上で、県教育庁に要望する必要がある」と述べ、地元3高校と可能性を探っていく考えを示した。
宮古島商工会議所は平良港港湾整備やトゥリバー地区の計画の見直し、伊良部商工会は伊良部地区の観光施設の整備、JAおきなわ宮古地区本部は高齢化に伴う今後の農業施策、伊良部漁協は佐良浜漁港の総合的な整備、県建設業協宮古支部は若年建設従業員雇用などをそれぞれ要望した。
一方、市は宮古島商工会議所と伊良部商工会の一元化、西里通り道路整備、露店等の開設届け出などについて要望した。
同会議はこれまで、市と宮古島商工会議所との意見交換会だったが、今回初めて幅広い団体が出席し、それぞれ要望を出し合った。
市からは担当部署の部長や課長など28人、経済界からは代表者ら18人の計46人が出席した。
冒頭あいさつした下地敏彦市長は「来年は伊良部大橋が開通する。宮古は一つ、宮古島全体をどうするかという視点で意見を出し合ってほしい」とあいさつした。
会場には市が計画を進める未来創造センター(図書館兼中央公民館)とスポーツ観光交流拠点の模型を展示し、市のリーディングプロジェクトをアピールした。