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社会・全般
2011年1月28日(金)22:30

味覚(行雲流水)

 色や味を日本語で表現することは難しいようだ。話している人のイメージと聞いている人のイメージは、必ずしも一致しない


▼「信号が青になったら渡りましょう」と言えば、小学生は「信号灯の色は緑だ」と応える。英語では青色のイメージを、スカイブルー、マリンブルー、ロイヤルブルー、エメラルドグリーンなどと使い分ける。ファッション雑誌にカタカナ語が氾濫する一因だ

▼料理番組では、若い女の子が異口同音に「さっぱりして、おいしい」と言う。さっぱりイコールおいしいではないはずだが、との疑問が残る。料理の王様といわれる中華料理は、味と味とが掛け合わさってこってりしたウマミが出るからおいしいはずだが、どう表現してよいやら


▼過日、有名ホテルの料理長をしていた宮古島出身の平良勝弘氏に聞いてみた。平良氏は、県主催「沖縄の食材を使ったフランス料理コンクール」の審査委員長でもあった。談たまたまフランスでの修行時代に及んだとき、「味そのものが世界共通語だから、言葉は障害にならなかった」と語っていた

▼味の伝授は「名人芸を見て味わって会得する」以外になさそうだ。「味は、素材の持ち味を生かす工夫が大切。独自のタレをつくれるかどうかだ」とも話していた。味は芸術の一種かもしれない

▼食文化は観光産業の一翼を担う重要な分野だ。多様な味の奥義を窮(きわ)めることは、ビジネスチャンスにもつながる。厨房への関心をもっと高めたいものだ。探究心の芽は、業界だけでなく一般家庭でも育てることができるのでは。


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