12/05
2025
Fri
旧暦:10月16日 先勝 戊 
社会・全般
2013年9月19日(木)9:00

台湾から恩師の家族訪問

松川さんの子らと涙の対面/高雄市に住む戴さん
「70年来の思いかなう」


前列左から戴さん、松川さんの長女真栄田さん、次女金城絹恵さん、三男勝行さん、羅さん=日、宮古空港

前列左から戴さん、松川さんの長女真栄田さん、次女金城絹恵さん、三男勝行さん、羅さん=日、宮古空港

 台湾高雄市岡山区に住む医師の戴文凱さん(79)が18日、幼いころ勉強を教わった恩師松川浩さんの家族を訪ねて来島した。空港では松川さんの長女真栄田昭子さん(85)=下地川満=らが出迎えて花束を贈呈。戴さんと真栄田さんは、涙をぽろぽろと流す感激の対面となった。戴さんは「先生の家族に会えてうれしい。70年来の思いがかなった」と感無量の様子。真栄田さんは「涙があふれるばかり。戴さんの温かい気持ちには感謝と感激の思いでいっぱい」と語った。


 「恩師の松川先生、あるいは家族をさがしています。現住所が分かれば教えてください」-。今年の5月14日、戴さんから下地敏彦市長宛てにそんな手紙が届いた。同日、台湾出身の羽地芳子さんが手紙をつてに、松川さんの家族を探し当て今回の対面につないだ。

 下地市長を訪ねた戴さんは、家族を捜してくれたことに感謝する記念の盾をプレゼント。ループタイや菓子などの土産も携えた。

 下地市長は「松川さんの家族が、すぐに見つかって良かった。台湾での昔話をする良い機会になると思う。松川さんと戴さんのつながりを縁に、台湾と宮古がもっと仲良くなれば」と今後の交流発展に期待した。

 真栄田さんが携えた松川さんの遺影を目にした戴さんは「先生だ。覚えている」と興奮気味に話した。

 宮古に来たのは戴さんと義弟の羅秀雄さんの2人。宮古からは真栄田さんと二女金城絹枝さん夫婦(下地川満)らが出迎えた。兵庫県からも三男勝行さん夫婦が駆け付けた。

 一行は夕食しながら団らん。きょう19日は、宮古観光を楽しむ。

 松川さんは太平洋戦争が終わる前年の1944年、台湾高雄永安区永安小学校長を務めていた。生きていたら113歳。戦後は宮古島の下地川満に住んでいた。

 真栄田さんは、父の実家の隣りに住む。父浩さんは54年前に60歳で他界。母登枝子さんは27年前に85歳で死去した。松川さんの一家は那覇に引っ越し、位牌は孫の憲彦さんが祭っている。

 松川さんと戴さんの接点は、終戦直後の台湾にさかのぼる。松川さんは日本が台湾の統治権を失ったことで、校長職を失い苦しい生活を余儀なくされた。そんな時、戴さんの父が、子どもたちの家庭教師に招いた。戴さんは当時、小学2年生。兄弟が数学などを学んだ。

 戦後、松川さんが宮古から戴さんに宛てたはがきには「幾月かの間あの2階で、一緒に勉強し又寝た事などが思い出されます」と幼いころの戴さんとの触れ合いをしのんだ。戴さんは同はがきも持ち寄り、下地市長に見せた。

 松川さん一家は、終戦翌年の1946年宮古に引き上げた。松川さんは農業を2年ほどして、盛島明得下地町長に請われ、助役を務め任期途中に亡くなった。昭子さんは「うそのつけない正直な人だった」と亡き父をしのぶ。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年11月6日(木)9:00
9:00

入域観光客66万5000人/25年度上半期

前年比3万人増 過去2番目に多く 2025年度上半期(4月~9月)の入域観光客数は前年比で3万6414人(5・79%)増の66万5270人だった。過去最多となった18年の68万355人に迫る2番目の記録。市観光商工課が5日発表した。9月の入域観光客数は12万7…

2025年11月5日(水)9:00
9:00

下地島・台中線新規就航へ/スターラックス

台北線は再開、来年2月から   下地島エアポートマネジメント(鶴見弘一社長)は4日、今年8月から10月24日まで下地島-台湾(台北)線を運航していた台湾のスターラックス航空が来年2月から再び同路線を運航すると発表した。今回は台北だけでなく新たに下地島…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!