広域公園事業が始動/検討委員会発足
候補地9カ所を提示/来年度内に基本計画策定
宮古地区における広域公園事業が動き出した。宮古広域公園(仮称)計画検討委員会(委員長・池田孝之琉球大学名誉教授)の第1回会議が15日、県宮古合同庁舎で開かれ、候補地として狩俣、荷川取、野原、下地島など計9カ所が提示された。同委員会は来年3月末までに基本構想を取りまとめ、2014年度内に基本計画を策定する。スポーツ、観光、防災の機能を有した公園づくりに向けて多角的な検討を進める。
委員会で提示された候補地は▽狩俣▽間那津▽荷川取▽大野越▽野原▽前浜▽保良東▽牧山▽下地島-の9カ所。委員らは14日、宮古本島内の複数の候補地を視察して回った。
15日の会議では視察結果と事務局の説明を受けて意見を交わした。事務局は候補地の地形や特徴を説明した上で、▽観光・レクリエーション▽スポーツ・運動機能▽防災機能▽環境・景観への配慮-の点から各候補地の利点を挙げた。
委員で熊本県立大の蓑茂壽太郎客員教授は、「どんな公園にするのか、9カ所もある候補地の中でどこを選ぶのか、非常に難しいテーマだ」と徹底した議論の必要性を強調し、「1カ所に絞るのではなく、飛び地でも良いという議論は展開できないか」と述べ、柔軟な発想に伴う積極的な議論のあり方を提起した。
これに対して複数の委員が理解を示した。池田委員長は観光、防災、スポーツなど各分野の機能を一つにまとめる際の地理的な限界を指摘。複数の場所に整備する案をはじめ、「現在の公園の活用も含めて検討しても良い」と述べた。
候補地は次回以降の委員会で選定する。次回は来年1月に開催し、今年度最後の委員会は3月に開いて基本構想をまとめる。
公園計画検討委員会委員は次の通り。
委員長=池田孝之(琉球大名誉教授)▽副委員長=蓑茂壽太郎(熊本県立大客員教授)▽委員=下地芳郎(琉球大観光産業科学部教授)林優子(名桜大国際学群准教授)内間仁春(沖縄観光コンベンションビューロー常務理事)砂川恵助(宮古島商工会議所専務理事)池間隆守(宮古島観光協会専務理事)▽行政委員=髙村幸夫(沖縄総合事務局開発建設部 公園・まちづくり調整官)當銘健一郎(県土木建築部長)長濱政治(宮古島市副市長)