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教育・文化
2018年11月3日(土)8:57

県文化功労者に下地さん

苧麻糸手績み保存で貢献


県文化功労者に選出された下地正子さん=2日、平良東仲宗根の自宅で

県文化功労者に選出された下地正子さん=2日、平良東仲宗根の自宅で

 2018年度県文化功労者に、苧麻糸手績み技術の保存・継承に尽力してきた元宮古苧麻績み保存会会長の下地正子さん(82)が選ばれた。県内15人のうち宮古地区では唯一の選出。下地さんは「この技術をつないできた先人やおばあたちの功績です」と謙そんしながら「日本の宝を守り続けていきたい」と話した。


 功労者の選出は、芸術文化の振興並びに文化財保護活動に尽力してきた個人や団体をたたえるもの。表彰式は13日午後2時から那覇市の県庁で行われる。

 下地さんは、伝統工芸部門で選ばれた。長年にわたり、国選定保存技術「苧麻糸手績み」技術の保存と継承及び錬磨に努めてきたことが高く評価された。苧麻栽培に必要な畑の提供や原料栽培を行いながら後継者の育成に尽力したことも受賞理由に挙げられる。今も後進の指導に当たる。

 20年以上前、展示会に足を運んで以来、宮古上布のとりこになった。「私が応援団長になる。何か手伝わせてほしい」と言って始めたのが苧麻畑の整備だ。

 それからは、苧麻績み技術の継承に情熱を注ぎ続けた。苧麻績み保存会の会長は10年も務めた。「単なる好奇心です」と笑う下地さんだが、技術の保存・継承には並々ならぬ決意を胸に秘める。「先人がつないできた宝を守り続けなければならない」と語った。

 功労者については「私ではなく、先人やおばあたちの功績」と繰り返した。その上で「小さな島だけど素晴らしい宝がある。宮古の若い人に、この技術を誇ってほしい」と話し、次代を担う若い世代における関心の広がりに期待を込めた。


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