12/15
2025
Mon
旧暦:10月25日 仏滅 丁 
社会・全般
2019年11月16日(土)8:54

【行雲流水】(ボケ老人と地域支援)

 高齢になるにつれて身体機能にいろいろな問題がおこる。中でも知力の衰えを本人は気づいてなく身近にいる人が日常の生活の中で変化に気づいて「ボケが始まったかな」と気にしだすのが通例だ

▼認知障害が始まったといえ、高齢者もみんなと同じように生活を楽しめるはずだが周りの人たちの態度というか接し方によって穏やかな日常を過ごせるか、差別されてしまうか両極端の現象がおこる

▼効率・競争を強いる社会にあっては後者のような事態になりかねないが人と人のつながりを大切にする社会では、前者のようなことが学術調査で明らかになっている

▼大井玄氏の著書「『痴呆老人』は何を見ているか」に引用された元県立宮古病院長の真喜屋浩氏の論文「沖縄の一農村における老人の精神疾患に関する疫学的研究」で真喜屋氏は「敬老思想が強く保存され、実際に老人があたたかく看護されている土地では、老人に精神的葛藤がなく、たとえ器質的な変化が脳におこっても、この人たちにうつ状態や、幻覚妄想状態は惹起されることなく、単純な痴呆だけにとどまると考えられるのである」と結論づけている

▼このような事例をもとに大井氏は「被害妄想、夜間せん妄、幻覚、攻撃的人格変化といった周辺症状が現れないかぎり、『純粋痴呆』(周辺症状のない穏やかな痴呆=単純痴呆)として平和的共存が可能であり、その現象は地域全体で実現できる可能性がある」と述べている

▼人々のつながりが希薄化した現代社会で大井氏の期待する可能性を具現化するには市と社協の協力にとどまることなく町内会幹部、老人クラブ、民生委員等の協力が求められるのではないか。(凡)


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年12月14日(日)9:00
9:00

新部長に野中さん選出/観光協青年部が臨時総会

宮古島観光協会青年部(西村貴宏部長)は13日、市内の飲食店で臨時総会を開催し、第代青年部長の選出を承認した。新部長には、たびのホテルlit宮古島支配人の野中泰斗さん(44)を選出した。

2025年12月10日(水)9:00
9:00

路線バスが週末無料に/市制施行20周年記念事業

13日スタート、8日間実施   市は9日、市制施行20周年記念として「宮古島生活バス路線利用促進事業」を実施すると発表した。同事業は島内を運行する路線バス7路線を週末など計8日間を無料とする。市役所で記者会見した市企画政策部の石川博幸部長は「この機会…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!