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社会・全般
2011年4月8日(金)23:00

前山の「津波碑」(行雲流水)

 下地字与那覇の前山に小さな石碑がある。64×30×13㌢の珊瑚石灰岩だ。右上から「乾隆三十六年三月十日大波」、中央に「宮国新里友利砂川」の文字が刻まれている。3月10日は新暦の4月24日にあたる


▼240年前の1771年、石垣島の南南東40㌔沖を震源地とするマグニチュード7・4(推定)の地震がおきた。午前8時頃だ。30分後には宮古も大津波に襲われた。津波は3度襲ったという

▼津波の被害は宮国・新里・友利・砂川の城(グスク)4か村のほか池間・前里・伊良部・仲地・佐和田・仲筋・塩川・水納の8か村に及んだ。特に水納島は村の形が残らないほどの全滅状態だ。津波による死者は2548人で、その8割が城4か村の住民である

▼未曾有の大津波は城4か村を背後の高台に移動させた。人的被害の少なかった伊良部島から住民を移動させての村の再建だ

▼宮古の各地に津波の伝説がある。砂川村も津波に襲われた。来島した「天女」は村を再建し、津波から逃れる祭を授けていなくなったという。祭は旧暦3月の最初の酉の日に行われ、「ナーパイ」の名で現在も続けられている。地質学者は500年前頃にも津波があったと説く。伝説の津波は1460年代とする考えもある

▼東日本大震災の報道は宮古の震災を想起させる。最近宮古でも地震が多くなった感もする。東日本の震災および原発事故は対岸の出来事とは思えない。前山の「津波碑」や「ナーパイ」は震災を顧みる記念碑でもある。


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