カヤックツアー中、女性死亡/保良泉ビーチ沖
海保が事故原因調査中/ショップは過去にも海難事故
13日午前、城辺保良のクバクンダイ鍾乳洞(通称・パンプキンホール)のツアーに参加していた女性が心肺停止となり、病院に運ばれた。女性は搬送先の病院で死亡が確認された。宮古島海上保安部が当時の状況を詳しく調べている。宮古島では水難事故が相次いで発生しており、同部では無理のないマリンレジャーを選択するよう呼び掛けている。
同部によると13日午前9時35分ごろ、県消防司令センターから「シーカヤック最中に保良泉ビーチ沖で浮いている女性を発見し、カヤックで引き揚げビーチの浜に向かっている」と通報があった。
女性は千葉県在住の60歳で、パンプキンホールのツアーに参加。ショップのガイド2人とツアー客7人でポイントに到着。洞窟に向け徒歩で移動していたところ、同行者が水深約50~60㌢の場所で溺れている女性を発見した。その後、ガイドにより引き揚げられたが、意識がもうろうとした状態で宮古病院に搬送され、午前10時51分ごろ死亡が確認された。
今年に入ってからマリンレジャーでの人身海難事故はこれまでに11件発生。事故者は13人でこのうち3人が死亡している。
同部では50歳以上の中高年による事故が多く発生していることから、体調管理などをしっかりと行い、体調不良、疲労、睡眠不足、二日酔い時はマリンレジャーを行わず、自身の持病なども十分把握し、無理せず安全第一で楽しむよう呼び掛けている。
一方、今回のツアーを実施したショップは5月にシーカヤックツアー参加者ら21人が一時、パンプキンホール付近に取り残された事故を起こした業者で「保良クバクンダイ鍾乳洞保全利用協定」を締結してない。
市や協定締結事業者はツアー等を利用する際には利用客の安全安心、環境保全のため同協定を締結している事業者の利用を強く訴えている。
保全利用協定は、「保全」と「利用」双方のバランスを取りながら、次世代に豊かな自然・文化を継承し、同時に観光産業の持続的な発展を図る制度で県知事から認定を受ける。
「環境保全型自然体験活動(エコツアーなど)を行う場所の適切な保全と利用を行うため、地域住民や関係者からの意見を適切に反映しつつ、(ガイド業など)事業者間で自主的に策定・締結するルール」を設定している。
協定を結んだ事業者は▽自然環境への配慮(道中のサンゴ折損、破壊を防ぐため海中を徒歩により催行せず必ずカヤックを使用して行う等)▽安全管理(ツアーの人数制限等)▽地域への配慮(保良泉ビーチの清掃活動や他活動に積極的に参加する等)-の3つの自主ルールとなっている。