12/14
2025
Sun
旧暦:10月25日 仏滅 丁 
社会・全般
2010年9月8日(水)10:34

自然の恵み

 今年はバナナが豊作のようで、屋敷の片隅や道路の傍らなどでも豊かに実っているのが見られる。果実が次第に熟していくのを生産者が待つのは自然の恵みをゆっくり受けているようにも思える。

 
▼ ところで、私たちがスーパーで購入するバナナの多くはフィリピン(ミンダナオ)産である。その生産と流通、消費の間を鶴見良行著『バナナと日本人』で見ると、バナナは決して甘いだけのものではない。ミンダナオの輸出バナナを支配しているのは多国籍企業の4社である。彼らは大地主と支配階級と組んで土地を租借し、プランテーション(単一作物を大量に栽培する大規模農園)で生産を行っている
  
▼彼らが巨額の利益を得る反面、農家や労働者は劣悪な労働条件のもとで貧困にあえいでいる。契約農家の場合でも輸出の出口は多国籍企業に独占されている。私たちがスーパーで200円のバナナを買うとき、農家の手取りは4円になる(1978年現在)
 
▼土地を奪われた農民は、ココナツや米、野菜等を作っていた文化も同時に失っている
 
▼「バナナ1本から世界が見える」とか「世界認識の古典的教科書」と言われた本書が出版されてから二十数年、多国籍企業に対する規制や、有機農業で多国籍企業からの自立を図る動きはあるが、本質的には変わっていない(中村洋子『フィリピンバナナのその後』)
 
▼この問題から私たちは何を学ぶか。甘いバナナが生産者にとっても消費者にとっても、真の恵みである世界を求めたい。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年12月14日(日)9:00
9:00

新部長に野中さん選出/観光協青年部が臨時総会

宮古島観光協会青年部(西村貴宏部長)は13日、市内の飲食店で臨時総会を開催し、第代青年部長の選出を承認した。新部長には、たびのホテルlit宮古島支配人の野中泰斗さん(44)を選出した。

2025年12月10日(水)9:00
9:00

路線バスが週末無料に/市制施行20周年記念事業

13日スタート、8日間実施   市は9日、市制施行20周年記念として「宮古島生活バス路線利用促進事業」を実施すると発表した。同事業は島内を運行する路線バス7路線を週末など計8日間を無料とする。市役所で記者会見した市企画政策部の石川博幸部長は「この機会…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!