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産業・経済
2013年7月3日(水)9:00

12年度対象牛208頭/優良遺伝雌子牛保留事業

母牛の更新改良を促進/奨励金2500万円交付

 脂肪交雑と枝肉重量の期待育種価(遺伝能力)の高い雌子牛を売らないで保留した農家に1頭当たり12万円の奨励金を交付する「優良遺伝雌子牛保留事業」の2012年度の対象牛は、208頭に上った。奨励金の交付額は、2496万円。JAおきなわ宮古地区畜産振興センター畜産部が、29日までにまとめた。


 同事業は母牛の更新促進と、質量兼備の子牛を産む優良母牛群の形成を目的とする。
 JAの担当者は「奨励金があるので、高齢母牛に替えて雌子牛を自家保留したという農家は多い」と話し、事業が母牛更新を推し進める力になっているとの見方を示す。保留申請者の多さは、「農家の事業に対する関心の高さの現れ」と分析する。

 保留した子牛の父は、宮古島産の名牛「北福波」が最も多く65頭。「安茂勝」35頭、「百合茂」34頭、北平安」11頭、「福華」11頭などが続いた。

 地区別の保留頭数は城辺65頭、多良間47頭、平良39頭、下地29頭、上野25頭、伊良部3頭の順となった。

 期待育種価は、種雄牛と母牛の育種価をたして2で割った数値。県家畜改良協会が解析している。

 交付対象要件は、脂肪交雑(霜降り度合)が最高ランクの「H」、枝肉重量は「B」以上(平均値以上)の基準を設定した。

 月齢条件は、生後満6カ月以上12カ月未満。体高が一定の基準を満たしていることも必要になる。

 育種価を活用した母牛の改良は、従来の経験値的な系統活用と比べ、数値を駆使する科学的な手法の面で違いがある。

 JAでは、育種化の高い雌子牛の保留が高く売れる子牛の生産に結び付くことから、事業の積極的利用を呼び掛けている。

 同事業は12年度から始まり、今年は2年目。13年度の申込件数も4、5の2カ月間で46頭と前年度以上のペースで進んでいる。

 申し込みは、JAおきなわ宮古地区畜産振興センター(電話72・4680)で受け付けている。


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